▼灰色の煙に__syp side ページ33
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あ、
syp「何やってんすか」
うわ、と大して驚いた様でも無い声。内心それにつまらないと思ったが反応に期待していた訳でも無い。
声を掛けたのは、廊下の端で大量の本を積んでいる元上官の姿。今でも彼女を先輩として慕っているけど、彼女はそれを許してくれない。
だってそうだ。
俺は裏切り者として、指揮官という立場の人間の部下として動いていたんだから。
『あぁ…ショッピ君』
syp「どーも」
『いや、本を部屋まで運んでまして…エミさんに借りた本、案外量があって』
syp「へぇ…なんで？」
『政治の勉強です』
あぁ、違う。敬語なんて欲しくない。
そう答えたAさんに適当に相槌を打ってよく分からない分厚い本の表紙を視界に入れた。それは確かにこの軍に来た時に見た事のある本で、新兵の学を伸ばす時に使う基礎本。
この軍に来て、ようやく我々国の人間になったのだと理解したのか。しかしそれは少し違う様で…
syp「社交界…？」
『ショッピ君は行った事…、』
syp「入口まではありますよ。呼ばれてないから中には入られへんけど…もしかして行くんですか？」
『うん、呼ばれてしまった』
あ、今のはちょっとAさんぽかった。
syp「本運びましょうか」
『…お願いします』
syp「はい」
彼女から数冊の本を受け取った。冊数こそ多い訳でもないが一冊が分厚い為かなり重い。鍛えた彼女でも重いと感じるのだから、それなりに量あるんだろう。それならば自分を呼んでくれればいいのに。
暇という訳でも無いが、きっと彼女に呼ばれたら俺はちゃんと向かえる筈だ。
けどそれは自分の勝手な意見で憶測に過ぎない。彼女が何を考えているかなんてあのグルッペンさんでもわからないだろう。
syp「Aさんは、勉強熱心ですね」
単純な褒め言葉として受け取ってくれたらそれで嬉しい、と思って口に出した。
『…そうでもしないと、生きていけない世の中だからね』
褒め言葉。褒め、言葉。ほめことば…とは。
思っていたのよりも斜め上のずれた返答。
もう少し素直に喜んでくれても良いんじゃないか。社交界に行くなら尚更な事、もう少し力抜いた方が良いんじゃないすか？？
なんて、自分が言えるタチでもないけど。
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しおりん(プロフ) - ふ〜ん！3ｺﾒ！続編おめでとうございます(о´∀`о)更新大変だと思います､頑張ってくださいね(*´▽｀*) (2020年6月23日 23時) (
レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
さわー - ふーん、2ｺﾒ!続編おめでとーございますっ！更新楽しみにしてますっ！(ですが無理はせず！) (2020年5月26日 15時) (レス) id: 14d9286bf4 (このIDを非表示/違反報告)
ピーたー - ふーん、1ｺﾒ！続編おめでとーございます！更新待ってます！ (2020年5月26日 12時) (レス) id: a37e444ba1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零
| 作成日時：2020年5月24日 14時
