▽壊れた機械の裏側 ページ35
.
ショッピ君に本を部屋まで運んで貰った後、自室に篭って本を読み始めた。一度読み始めたら止まらないので先に夕食を済ませおいてよかったと思う。
今日もまたシャオロンさんに「A！」と名前を呼ばれたがそれも慣れしまう程度にはここの色に染まってきたのかもしれない。
机の上にあった珈琲カップ。その中には少し苦い上等な珈琲が淹れられていたが数分前に飲み干してしまった。
今代わりにあるのは、大量の本の山。一体どうやって持ってきたのかと不思議に思うがこれもショッピ君のおかげだ。ありがとうショッピ君。
補佐ッピ君復活かな？？？？
なんて思いながら新たな本に手を伸ばした時、部屋の扉が叩かれた。
『開いてるので、どーぞ』
扉を開けた其処にいたのは、ゆらりと笑って手をひらひらと振った鬱先生だった。
ut「こんばんは、Aちゃん」
ふわりと舞った煙草独特の匂いと微かに鼻を掠った鉄の匂い。
数日前に彼との連携プレー(仮)で私は多分彼の邪魔をする事なく任務に送り出せた。あの時はどうなることかと思ったが鬱先生に渡されたインカムで助かった。彼はあの時、あのまま女の人と腕を組んで人並みに飲まれていったが…、
『お茶淹れますよ』
おおかたの予想はついた。
あの後の任務で何かあったんだろう。出なきゃこんな疲れ切った顔をしていないだろうし、鉄の匂いだってしない筈。彼がポケットに忍ばせている筈の拳銃の在り処だって今はわからない。
「ごめんな」と一言謝罪に似た礼をぽつりと呟いた鬱先生は、先程まで私が座っていた広いソファの隅に腰を下ろした。
ちょうど良かった、と自分の分の珈琲も淹れて彼の分と一緒に持っていって渡せば力なく笑顔を返される。
何かありましたかだとか聞くなんて野暮ってモンで。
ut「またガバッたんよ、僕」
乱雑に整えられた彼の紺に近い暗い髪。それが顔を少し前に傾けた所為で数束前に落ちてきた。
その間から彼にしては珍しい、真面目な色が見えた。
ut「本来、あの子…この前の女は僕が殺るつもりやったんやけどな？まぁ一発ガバりまして…、」
彼は少しずつ、話始めた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1762人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しおりん(プロフ) - ふ〜ん！3ｺﾒ！続編おめでとうございます(о´∀`о)更新大変だと思います､頑張ってくださいね(*´▽｀*) (2020年6月23日 23時) (
レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
さわー - ふーん、2ｺﾒ!続編おめでとーございますっ！更新楽しみにしてますっ！(ですが無理はせず！) (2020年5月26日 15時) (レス) id: 14d9286bf4 (このIDを非表示/違反報告)
ピーたー - ふーん、1ｺﾒ！続編おめでとーございます！更新待ってます！ (2020年5月26日 12時) (レス) id: a37e444ba1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：零
| 作成日時：2020年5月24日 14時
