【wrwrd】推しは活殺屋。

▽お仕事は丁寧に。 ページ3

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「楽しんでくれているかね、同業殺し様」


ふと横から掛けられた声に反応して、目だけちらりと其方にやれば声の主は主催者様であった。
ステージに続々と並べられる商品に買った買ったと貴族の声が上がる。
今日は最高で八千万。最低で四千万。
少ない方だとか何とか……。



『退屈はしませんよ』

「それは良かった…。私も命を狙われる身として、近場に貴方がいると安心する」

『おや…一応私は殺し屋ですが』

「同業しか殺さんのでしょう」



ごもっとも。
よく分かってるじゃないかハゲ。


突然の悪態を口に出すつもりは無いから『大正解』と笑って見せれば、満足そうな顔をされた。
この主催者は表じゃ政治関連に関わっているらしく、何でも国の外交官様と仲が良いとか。



「貴方に怯えて暗殺者も来ないのでは？」
『まさか…それは無い』
「何故？」
『勘ですが、』



足を組み直した主催者は、今度は眉間に皺を寄せて此方を睨んだ。よく変わる表情。

対して自分は椅子に正しく座って腕を組み直した。
それから一度目を閉じて息を吐き出してから再び目を開き、ステージの方を見る。






『もう真後ろにいる様な気がします』







微かに揺れた空気に肩を揺らして主催者は思い切り後ろを振り返った。
しかし、其処にいるのは何百人かの片手に金を握った貴族達ばかりであり素人の主催者には見分けがつかないご様子。



「何処にいると…‼」



顔を真っ青にして騒ぎ出した主催者は後ろに座っていた貴族に銃口を向ける。ｶﾞﾁｬと聞き慣れた音が妙に響いて、それに気づいた司会者もお喋りな口を閉じた。
「ﾋｯ…」と情けない声を出して驚く貴族も、焦っている主催者も顔色は真っ青。

二人揃って顔面おそろっちにしてんなよ




『…あ、冗談ですよ。主催者さん』




手をひらひらさせて笑えば今度は主催者の顔色が青色から赤色に変わる。

なんだなんだ…
そんなに張り詰めた顔をして(原因)




「今すぐに中止だッ…‼今日は終わりにする!気分が悪い、おい、司会者‼今すぐに全員追い出せ‼」



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