コナン君だけお引き取り下さい。II【沖矢昴】

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沖「前にしていた話ですが…あぁ、質問の事です。コナン君や赤い車？について」

『そんな事言った様な……』



この質問はだいぶ前にされた。それを予め録音機に録音しておいたのだ。

まさかこんな形で役に立つとはな。忘れていい内容を掘り返すのは少し不都合だが、あのボウヤにももう少し危機感を持って貰わねば。





『あ、赤い車…！前に真純ちゃんが入院してた時、昴さんもお見舞いに来たんですか？』





…バレていないとは思っていたんだが


病室の窓にあの高校生___毛利蘭の姿が見えたから、バレない様に車に乗って帰ったというのに。何故彼女にはバレている。
…これはやり過ごすか否か。

『人違いですか？』と、不安そうに声を漏らす辺りまだ確信を得れていないんだろう。



俺の正体もそうだが、赤井家というものについては話せないな。




沖「人違いでは？僕以外にも同じ車の人なんているでしょうし」
『…た、たしかに』
沖「それで…？




江戸川コナン君については?」





ふっと顔を上げて驚いた顔の彼女。


聞いてきたのはそちらだろうに、なんて顔をしているんだこいつは。忘れていたのか『コナン君』と何故か復唱した彼女。


不思議に思って彼女の視線を辿れば___






江「Aさん！！！」





汗だくでスケボーを小脇に抱えたボウヤがいた。





『はぇ、コナン君…コナン君！？
何でそんな汗かいて…何か飲み物頼む？』

江「あ、え、忘れ物…忘れ物を届けに！」

『忘れ…いや、あれは違くて！』




二人揃って慌てる様子に思わず素で笑みが漏れるが、すぐに沖矢に切り替えて二人に話し掛ける。
忘れ物とは恐らく例の鉄の棒__通信機の事だ。

ボウヤの様子から察するに、彼女には通信機能の事しか言っていないのだろう。それもそうだ。
盗聴器やら発振器やら、平和ボケしている人間がそんな物騒な物持ちたいとは思わんだろうからな。





沖「忘れ物って、キッチンにあったヤツですね。
コナン君…もしかしてあれ__))江「あ！僕トイレに行きたい…昴さんも一緒に行こ？」」





…君はトイレが近いんだったな。



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