コナン君だけお引き取り下さい。II【沖矢昴】

36___朝 ページ22

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『おはよう…ございます』



朝から良い匂いがしてぼんやり目を覚ませば案の定台所で昴さんが朝食を作っていた。



沖「おはようございます。昨夜はうなされていたようでしたが…大丈夫ですか？」

『え？あー、夢で刑事に追われまして』

沖「…それは大変だ」




笑いながら返す昴さん。

ふと彼はフライパンから顔を上げて「昨夜の事覚えてますか？」と聞いてきた。昨夜…
まだ眠っている頭を必死に起こそうとするも無理みたいだ。だけど、なんか…



あ。




『昨日、昴さんに起こされました』

沖「起こした訳じゃ無いですよ。布団を掛け直したら丁度起こしてしまっただけで、」

『成る程』






優しいかよおい。すき。


いつもの軽い気持ちを返してフライパンを覗く。目玉焼きにトーストにサラダ…スープまであるって、

めっちゃちゃんとした朝食だこと。

ポアロ以来こんな朝食食べてないよ。




沖「昨晩、何話したか覚えていますか？」

『え？…会話内容までは、
なんか言ってました？』

沖「…いえ。すぐに寝てしまったので」




そういえば、子供達はちゃんと眠れただろうか。
昨日はあんな事件に遭遇してしまったからなぁ。


なんて事を考えていれば少しだけ、思い出した。
昨夜の事。昴さんか起こしに来たんだけど、どこか違う違和感。妙に優しいというか



それを話せば昴さんは不審そうな顔をして、




沖「不審者でも入ったんですかね。昨夜は貴女と私以外、ここには誰もいませんよ」

『…まぁ、うなされてる人に優しい声かける不審者とか優しすぎますよね。声昴さんだったし』

沖「…私は不審者じゃないですからね？」

『なんですか急に』




何を勘違いしてるのか知らないけれど、別に昴さんを疑っている訳じゃないよ。


「なら良いですけど」と不服そうに口を尖らせた昴さんは朝食をテーブルに並べた。美味しそう。



沖「朝はしっかり食べてくださいね」



にっこりと怖いくらいの効果音と共に目の前に置かれた紅茶。コナン君め…安室さんに引き続き昴さんにも朝食食べてない事言ったな？



『いただきます…』



…めちゃめちゃ美味しいですけどね。

それから、朝もイケメンってなんなんだろうか。



解せぬ。
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