コナン君だけお引き取り下さい。II【沖矢昴】

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早く帰りたい、と騒ぐ割には案外楽しんでいるんじゃ無いのかと。彼女を見てそう感じた。観覧車はもう終わりで、降りたらボウヤ達を迎えに行かねばならん。




『あぁ、そうだ昴さん。私キノコ類苦手なので料理する時はいれないで下さいね』

沖「それは困りましたね……料理全般にキノコを使うつもりだったんですが」

『成る程。嫌がらせの為に呼ばれるのか私』

沖「まさか」





テンポのいい会話。

あぁと言えばこうだと返され、そうかもしれないと返せばやっぱ違うかも、と言われる。


まったく…コロコロとよく表情が変わるもんだ




彼女の眼にはどんな沖矢昴が写っているのか。俺が赤井秀一だと知ったらどんな顔をするのか。

少し見ものだが正体を一般人に明かす訳にはいかない





『あ、観覧車終わりですね昴さん』





「そうですね」と無機質な声で返せばいつもの笑みを向けられた。








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『お、おかしい』






江「Aさん運が無いね、僕のあげようか？」

歩「歩美のいる？」

元「ついてねーな！A姉ちゃん」

光「次は当たりますって！」

『優しさが辛い』




トロピカルランド限定のキャラキーホルダー。そこまで欲しいのか、よく分からないがクジを外し続けている彼女に同情する。



沖「そんなに欲しいんですか？」

『欲しく無いですよ別に。ただ、ここまで金払ったんなら欲しいじゃないですか』




…そういうものなのか。




観覧車から降りてボウヤ達と合流。それからやり始めたこのくじ引きに、一体彼女はいくら金を払ったのか



灰「変なとこでスイッチ入るわよね」
『…仕方ない』
灰「ま、頑張って」




灰原哀の一言を聞いてぱっと顔をあげた彼女は深く深呼吸した。
『哀ちゃんに褒められた』と呟きながら____




くじを引く、









『は、』

「「は、？」」





『ハズレたぁぁぁ…！なんで、流れ的に当たりきても良くないかな⁉』





悲痛の叫びをあげながら再び財布に手を伸ばす彼女の手を掴む。これ以上やっても当たらない可能性の方が高い。




沖「もう、やめましょう」




不服そうな彼女の手を引いて、その場から離れた。



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