コナン君だけお引き取り下さい。II【沖矢昴】

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Aさん、と園子ちゃんの声が聞こえてから視界に入ったのは綺麗な顔で眠る真純ちゃんだった。幸い命に別状は無く、コナン君も無事らしい。



蘭「コナン君の事……庇って」

『か、庇う？…あ。まさか狙撃手の件追ってたとか』

蘭「…」



沈黙は肯定の意。

覚悟しろコナン君、無茶すんなつったのに。なんて心の中で悪態を突きながらベッドに眠る真純ちゃんを見る。私の顔が怖かったのか「大丈夫ですか？」と聴いてくれた園子ちゃん、ごめん。


全然大丈夫じゃないんだ



あの小学一年生め…一年生はおままごととかして楽しくきゃっきゃうふふしててよ、願望だけど。

個人的な。




園「さっき、ガキんちょも来たんですよ」




園子ちゃんが気を紛らわす様に笑って言ってくれた。なにもうみんな可愛い…私の周りの子等が優しすぎて辛くなってきた。

おねーさん辛い…泣いちゃう。



『そっか、コナン君が…』



一旦リセットするみたいに、視線を足元に落とす。





『すれ違っちゃったか』





大きく深呼吸してぱっと顔を上げる。大丈夫だよ、の意味を込めていつもみたいに笑えば園子ちゃんも安心したみたいだ。良かった。



蘭「…許さない。コナン君を、世良さんをこんな目に遭わせた犯人を、

許さない…！」

園「蘭…」




私も犯人ぼっこぼこしてやりたいぜまったく、なんてふざけた言葉を言えるのは心の内だけだ。



蘭ちゃんの悔しさだとか怒りだとかを遮る様に、真純ちゃんが何か呻き声をあげる。





世「秀、兄(にぃ)」





園「しゅう、にぃ？…だって」

蘭「お兄さんの事なんじゃないかな…？死んだ兄がって前に言ってたから」






しゅうにぃ…そっか、お兄さんか。特に深く考えずにいれば病室にあった花束を蘭ちゃんが見つけた。

ここにはさっき来たばかりだから分からないがこの花束、いつ誰か持ってきたか分からないらしい。



成る程。

怖いね、それは。

切実に。




まぁけど、真純ちゃんを心配してくれてるんだからきっと良い人なんだろう。なんて思いながらふっと外に目を配る。



____と、




ほぼ同時、見覚えのある赤い車が駐車場から出て行くのが見えた。


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