▽他愛も無い話に ページ9
.
gr「お疲れだな、指揮官殿」
挑発に似たそれにイラッとくるが仕方ない。
今日はこの男、グルッペン・フューラーの見張り役である。本来ならば別の奴の仕事だったのだが、寸前のところで抜け出しやがった。
あとでしばき回したろ(笑顔)
毎日飽きもせず本を手にして読んでいるその姿に多少の情が湧いたりもするが、
こいつは敵なのでどうする事も出来ない。
『新兵の面倒を見るのを任されましてね、』
gr「ほう…？この時期にか」
『今回の戦で半分くらい持ってかれたので」
gr「それは災難だったな」
…お前の部下にやられたんだよ。
gr「で？」
ふっと分厚い本から顔を上げて、パタリと本の表紙を閉じた総統。その動作一つ一つが綺麗なのは腹が立つから言わないでおこう。
そうしよう。
『で？ってなんだ、で、って』
gr「そのままの意味だが」
『意味が分からないよ』
gr「気になる兵士はいたのか」
それを貴方に言って何になるんだ、と聞き返せば「何にもならないな」とあっさり、意味の無いそれを認めた。
ちらりと本の表紙に目をやれば
国の何ちゃら主義がどうの…と。誰だ、あんな小難しい本をこの男に渡した奴は。
少々面白みにかけるその本に目をやる。
もっと、メルヘンなのでも読ませとけー
『いましたとも。
ノゾム、って新兵なんですがね？
これが優秀で。
本人は情報部隊を希望してるんだけれど、私からすればあの子は暗殺部隊の方が向いているよ、きっと』
少し興味ありげに此方を見た総統。
「ノゾム、か」と呟いた総統は面白そうに笑ってからまたすぐに元の表情に戻った。
『そういえば、貴方はいつも本を読んでいるね？
そんなに面白いのか』
gr「まぁな。退屈はしない。
…なんだその顔」
『いや…私は本をあまり読まないんで』
gr「意外だな。なら何かお勧めの本でも、お教えしましょうか」
腕を組んで笑う総統。目だけは真っ直ぐに此方に向いていて、それが妙に怖い。
こんな薄暗い場所でよく何日も発狂せずに
黙々と本を読んでいられるもんだ。
私なら5秒で飽きる。
『牢の中でどうやってお勧めの本を教えるっていうんだ』
gr「俺が教えられるのは題名くらいだ。
あとは一人で店にでも行けばいい」
ふっ、と鼻で笑われる。
…純粋に腹が立ったのは言うまでもない。
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零(プロフ) - kouboukunさん» ありがとうございます！そう言って頂けると嬉しいです！多分は基本的に危なそうだな…という勝手な想像に共感してくれている様で何よりです…()これからも更新頑張ります！ (2020年5月24日 18時) (
レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
kouboukun(プロフ) - なんかこれを見て思いました・・・。総統の多分は危ない多分ですね(*´▽｀*)面白かったです！すごく夢中になって読める小説だし、奥が深くて、好きです！（突然の告白。）これからも更新頑張ってください！！ (2020年5月20日 16時) (レス) id: 6b5d77f9d6 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - seruharu217さん» syp君についてはまだ出て一話目ですので、情報量が少なかった様ですみません…次の話辺りからもう少し詳しくするつもりですので、その際分かるかと…！（質問に添えていなかったら申し訳無い）ありがとうございます！そう言って頂けると嬉しいです！頑張ります！ (2020年5月15日 23時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - もっちさん» ありがとうございます！今や社会はその話題で持ちきりですしね…無事元の暮らしが出来る事を祈るばかりです。今後も面白い作品に出来る様、更新頑張っていきます！ (2020年5月15日 23時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
seruharu217(プロフ) - あの、すみません。ショッピ君ってどんな立場ですか？二人いる感じなんですかね・・・？このお話は好きです！更新頑張ってください！ (2020年5月13日 17時) (レス) id: e769def405 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零
| 作成日時：2020年3月15日 14時
