コナン君だけお引き取り下さい。【沖矢昴】 (ページ37)

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ー沖矢))S.A sideー

『美味い』

沖「それは良かった」

『にしても…よく手に入りましたね』
沖「偶々ですよ」
『流石です沖矢ぁー昴さん』

あぁ、本当に流石だキャメル。

ついこの前の事__
FBIがマークしていたとある組織を壊滅に追い込んだ時、キャメルがお礼に貰ったというチケット。何かのメッセージかと思ったが本当にただのチケットだった。

FBIへの礼が有名喫茶店の券なんて笑える話だが、

『珈琲苦いのは昴さんで良いですよね』

少し気になった奴がいるから好都合としよう。

でかしたぞキャメル。

沖「Aさんは珈琲苦手で？」

『苦いのは…あ。飲めない訳じゃ無いですよ』

沖「意外です」

『煽りですか？』

違いますよ、と自分でも聞き慣れてしまった声で淡々と喋る。仲間がFBI捜査官とも知らずに呑気にパンケーキを頬張る彼女は、恐らくずっと見ていても飽きない。

面白いからな。切実に。

___江「盗聴器仕掛けたけど全然気付かなかったみたい！だから…
あの人はいい人だよ。」__

ふむ。ボウヤの言っていた事には一理あるな。
特に疑っている訳でもない、寧ろ善人すぎて危うい。

『昴さんは、
私が家庭教師に見えますか？』

沖「何故？」
『ただの疑問です』
沖「全く見えません」
『言うと思った』

テンポの良い会話が出来るのは彼女の長所だ。

最初こそ、
ぎこちない喋り口調でやり難い気はしたが慣れてしまえばそうでも無い。何なら、ムードメーカータイプななかも知れない。

『あ、そういえば。

さっき女の子と会いまして。
それが物凄く___』

"さっきの女の子"

世良真純。

そこまで言いかけていた口は閉ざされ、
何を言い掛けたのだと聞こうとしたが…。

『ん？あ、あれって高木刑事と佐藤刑事ですかね？』

彼女の視線を辿って窓の方を見れば車に乗った二人が見えた。

どこの国でも事件はあるもんだな。
日本の警察もご苦労様だ。

彼方も彼女に気が付いたのか、小さく手を振っていた。

『そろそろ行きますか。昴さん』

昴さん。

_____赤井秀一、と呼ばれる日は

沖「そうですね」

_____来てしまうのだろうか。

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