コナン君だけお引き取り下さい。【沖矢昴】 (ページ4)

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なんでだなんでだなんでだ、なんでだ？いや、何故。
何故コナン君に奢らなきゃならない？給料日初めのお金は煙草を買うと決めているのに！

……実質煙草全然吸わないから良いけど別に、
ちょっと遠慮はして欲しいかな。おねーさんカップ麺しか食べてないのよ。

江「わーい！ハンバーガーだ、僕お腹減ってたんだ」

『それは良かった。おねーさんにも一口頂戴』

江「やだ」

『辛辣』

「冗談だってば」と笑いながらコナン君は、ハンバーガーを此方に向けるが私だって冗談のつもりだ。

だからトレーからポテトを一本貰って食べた。久々に食べる麺以外。素晴らしい…芋最高、ジャガイモが私の崇高対象になった瞬間だ。
芋様だよ芋様(真顔)

江「そ、そんなに美味しい？」

『え？……あ、まぁ。
なんせ数日ぶりのまともな食事なので』

江「…なんで？」

『お、大人の事情…ってやつさ』

すっと目を逸らして片手で顔を覆う。

ごめんねコナン君。小学一年生にはまだ経済事情を知られたくなかった、ていうか知らない純粋な子供でいて欲しいおねーさんの願いだから。切実に。

たった一本のポテトに幸せを噛みしめる。

江「ふーん……」

はい、眼鏡光りました。

どうなってんのその眼鏡。LEDでも付いてるのかな？反射板てきな？それもう目見えないよね？もろに食らっちゃってるよね？可哀想に。
現実逃避に走りながら、これはやらかしたな、と一人泣いた。

明らかに目の奥が変わってしまったコナン君に溜息を吐けば、「Aさんのお仕事は？」と聞かれる。
何にそんな興味を持たせてしまったのか。
こんな何回かの会話で質問攻めって、今の小学生どんだけすごいんだよ……

『バイトしてるよ』

江「何の？」

『コンビニ。
けど、すぐ辞めて新しい職に就くつもりだよ？』

割ときっつきつなんだよ生活。

江「そうなんだ！僕てっきり

"凄いお給料貰える場所で働いてるのかと"
思ってた！Aさんバイトなんだ！」

あの、コナン君…人の事情をペラペラペラペラと大声で言わないでくれると嬉しいな。

『なんで…？』

江「だって……

Aさんの着てる服、結構高そうだし。
その靴も有名なブランド店のでしょ？僕親戚のおばさんがそういうの詳しいから知ってるよ！」

へぇ、左様にございますか。

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