コナン君だけお引き取り下さい。【沖矢昴】 (ページ14)

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私は、探るのが上手くない。だからいつも探られていることにも気づかず、相手の罠だと気付かないのである。それに気づいたのはつい先程。

沖矢さんの車に乗り込んだ後だった。

いやぁ、やらかした。完全にやらかしたよ。
罠じゃんね、罠。猿でも気づくよコレ。前世の自分言ってたよね。
江戸川コナンに気を付けろ、ってさ。

『掟破ったわ』

沖「何のですか？」

『人生をログアウトしない為の大切なルールですよ』

沖「…それは興味深いですね」

「教えてほしいものですが」と口籠った沖矢さんをちらりと視界に入れる。
はい、やっぱ顔がハーバード大学。次なんか口に出したら沖矢さんの事ハイネックって呼ぶからな。

沖「カレーはお好きですか？」

はい、ハイネック。乙。
……しょーもな。

『好きですよ。一人で食べるカレーは』

沖「誘ってしまってすみませんね」

『いえいえ、命の危険を感じたので行かざるおえなかっただけですし』

いやまって？なんでこんな沖矢さんと私バッチバチなんだよ。待てや睦月A。落ち着けよ。
このハイネックと喧嘩しても戦利品はハイネックだぞ？あとはメガネと、

沖「そろそろ着きますよ」

『やったぁ』

こんなに、クソほど嬉しくないカレーは人生のうち最初で最後の貴重な経験だろうな。

なんでこんなに口が悪くなってんだろう自分。解せぬ。

一先ずいつもの調子に戻した。それからすぐに沖矢さん宅に到着し……

江「Aさん！久しぶり！」

江戸川コナン君と運命の再会。

運命の赤い糸って？いや、運命の血塗られた糸の間違いかなんかだ。死神レベルにやばいとかなんだこの小学生。そして前世の私、死神を知るような事してたのだろうか。

『うん、久しぶり。相変わらず冷めてるね』

江「冷め…僕知らなーい」

……あぁ、くわばらくわばら。

こんな小学生相手に怯える事ないだろうに。

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