検索窓
今日:71 hit、昨日:98 hit、合計:803,219 hit

01___出会いってやつは ページ2

よく晴れた日の事。



まぁいつもの様に私は米花の街を歩いていた訳だ。ただ一つ、普段と違うのは今日が給料日だと言う事。
漸く一日一食カップ麺生活とはおさらば出来る訳だ。


もう二度と金の使い方を間違えるものか。




『さて……』




突然ですがここで問題。









私は今、何処にいるでしょう。




『正解は銀行の前でした』




考える時間をあげるとでも思ったか?そんな世の中甘くは無いんだよな。
そうして、今ここにいる理由としては二つ。

一つ、給料を貰いに来た

二つ、通帳と財布を忘れ途方に暮れている





………一度帰らねばならないのだ。無念。







くるっと家の方へ向きを変えて歩き出す。
その時、丁度その銀行から風船の破裂音___否、拳銃で風船を割った音がした。




ばっと振り向けば銀行には人だかりが出来ており、人々の目線の先には銃を見せつける銀行強盗の姿。

風船の残骸らしきものと子供。





「動くな、撃つぞ」

「喚くなクソガキ!
…全員携帯を出せ!!!」






あぁ…強盗犯か。
良いタイミングで逃れられたな自分。




面倒事とは関わりたく無いと言うのが人間の性。だがまた、興味本位で近寄ってしまうのも人間の悪い癖。自分も野次馬の方へ行って銀行の中を覗く。




『…銀行強盗』

「これ、警察に電話した方が…」




だろうね…
今やネット社会、今この状況をSNSにあげる人達もきっもこの中にあるんだろう。そんな事を考えながら、この場から立ち去ろうと一歩下がった時、





とんっ、と何かが足にぶつかる。






「あっ、ごめんなさい!」






ふと目線を下にすれば尻餅をついた可愛らしい眼鏡の少年がいた。スケボーを小脇に抱えたその少年は、眉を下げて私に謝る。

あああああ…私が悪いから待って泣かないで







『大丈夫…?じゃないよねおねーさんが悪かったから
泣かないで……

怪我とかした?
どこか痛いところない?』







そう言ってのければ「あ、」と小さく声を漏らしてきょとんと放心状態の少年。
小学一年か二年そこらだろう

最近の子はこんなに顔が整ってるんだろうか。申し訳ないな。







「ううん、大丈夫。ありがとう」






なんだろう、凄く胸が痛いよおねーさん。



.

▽→←Profile



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (383 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
944人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

この作品にコメントを書くにはログインが必要です   ログイン
感想:  ログイン

加奈 - 関係無いけど。 (2020年3月16日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
加奈 - カッコイイな〜。モテるだろうな〜。 (2020年3月16日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
加奈 - 探偵ってカッコいいからな〜。 (2020年3月16日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2019年11月23日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。