01___出会いってやつは ページ2
よく晴れた日の事。
まぁいつもの様に私は米花の街を歩いていた訳だ。ただ一つ、普段と違うのは今日が給料日だと言う事。
漸く一日一食カップ麺生活とはおさらば出来る訳だ。
もう二度と金の使い方を間違えるものか。
『さて……』
突然ですがここで問題。
私は今、何処にいるでしょう。
『正解は銀行の前でした』
考える時間をあげるとでも思ったか?そんな世の中甘くは無いんだよな。
そうして、今ここにいる理由としては二つ。
一つ、給料を貰いに来た
二つ、通帳と財布を忘れ途方に暮れている
………一度帰らねばならないのだ。無念。
くるっと家の方へ向きを変えて歩き出す。
その時、丁度その銀行から風船の破裂音___否、拳銃で風船を割った音がした。
ばっと振り向けば銀行には人だかりが出来ており、人々の目線の先には銃を見せつける銀行強盗の姿。
風船の残骸らしきものと子供。
「動くな、撃つぞ」
「喚くなクソガキ!
…全員携帯を出せ!!!」
あぁ…強盗犯か。
良いタイミングで逃れられたな自分。
面倒事とは関わりたく無いと言うのが人間の性。だがまた、興味本位で近寄ってしまうのも人間の悪い癖。自分も野次馬の方へ行って銀行の中を覗く。
『…銀行強盗』
「これ、警察に電話した方が…」
だろうね…
今やネット社会、今この状況をSNSにあげる人達もきっもこの中にあるんだろう。そんな事を考えながら、この場から立ち去ろうと一歩下がった時、
とんっ、と何かが足にぶつかる。
「あっ、ごめんなさい!」
ふと目線を下にすれば尻餅をついた可愛らしい眼鏡の少年がいた。スケボーを小脇に抱えたその少年は、眉を下げて私に謝る。
あああああ…私が悪いから待って泣かないで
『大丈夫…?じゃないよねおねーさんが悪かったから
泣かないで……
怪我とかした?
どこか痛いところない?』
そう言ってのければ「あ、」と小さく声を漏らしてきょとんと放心状態の少年。
小学一年か二年そこらだろう
最近の子はこんなに顔が整ってるんだろうか。申し訳ないな。
「ううん、大丈夫。ありがとう」
なんだろう、凄く胸が痛いよおねーさん。
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加奈 - 関係無いけど。 (2020年3月16日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
加奈 - カッコイイな〜。モテるだろうな〜。 (2020年3月16日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
加奈 - 探偵ってカッコいいからな〜。 (2020年3月16日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:零 | 作成日時:2019年11月23日 20時