▽３話___「疑い深くあれ」 ページ8
どちらがボロを出すのが先か。いっそ、全部バラしてしまった方が楽なんだろうけれど……流石になぁ。
それに、この男があの
赤井秀一君だという証拠も無い。
信用が無い訳では無いのだが、色々と不安要素がある訳だし。そう簡単に決断は出来ない。それを分かっての事か、沖矢昴と名乗った男は私の腕を離さない。
顔良い癖して強情なんか沖矢昴。
いや、顔が良いから何しても許される…というか、許せる気がする。
「…車、乗りますか」
駄目だ。
すみません、と心の中で上司に全力で謝罪をする。こうなったあの部下は誰がどうやっても止められまい。ここまで来たら腹を括って話してしまえ。
…と、思ったけれど話せる訳無い。
『…』
駅に向かう人々に逆らって一通りの少ない道に逆戻り。腕を引かれたままで、何も言葉を発さない。
あの気遣いも出来てしまう部下にしては多少乱暴な気もするが。
一台の車が駐車場に停めてあって「どうぞ」と一言言いながら助手席のドアを開けた沖矢昴。
続いてすぐに運転席にまわって乗り込み、はぁ、と短くため息を吐いた。
「すみません、急に連れ出してしまって」
数分の沈黙の後、ゆっくりと吐き出された言葉。此方を見ずにただそう言った彼。
もし、本当のことを言ったら
日本でひっそり暮らしていた、と素直にそう言ったら信じてくれるだろうか。物凄い血相で睨まれそうだが。
『いえ…』
車内の重い空気が少し揺れる。否定も肯定もしない。
沈黙よりかは幾分かマシになったが、彼の表情が晴れそうな雲行きでは無い。むしろ悪化した気がする。ごめんて沖矢昴さん。
悪気は無かったんだ…
数秒考えてから、彼は口を開いた。
「貴女は本当に…、」
_____緑色、
ようやく笑ってくれたらしい部下にひとつ静かに頷く。やばい、泣きそうなんだが…涙脆い訳じゃ無いのだが安心というかなんというか…
あれだ、感動の再会ってやつだな多分。
まぁ、感動の再会の割に周りの視線は冷たい気もしましたけどね。
.
▽４話___「生意気な部下と」→←▽２話___「緑色が覗く」
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カーミィ - すごく面白いです。更新お願いします‼️ (6月11日 23時) (
レス) id: 1079b99541 (このIDを非表示/違反報告)
Ray@二次元LOVE(プロフ) - 赤井さん…というか沖矢さん頭なでなで羨ましいのね(笑)……何それくっそ可愛ええな(真顔)推しが可愛すぎて辛い…更新楽しみにしてます！ (2020年4月25日 16時) (レス) id: 15ab691acf (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 咲さん» 返信中々出来ずすみません。赤井さん格好良いですね本当…同士が沢山いる様で何よりです))格好良い＝赤井秀一と勝手に脳内変換されるくらいにはなってます。ありがとうございます、これからも楽しめる作品に出来る様、更新頑張っていきたいと思います！ (2020年4月25日 11時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - あずさん» 返信中々出来ずすみません。ありがとうございます！そう言って頂けると嬉しいです。言葉は大切ですよね（便乗）更新頑張ります！ (2020年4月25日 11時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
咲 - すごく面白いです！更新されるのを楽しみにしています！赤井さんカッコイイですよね〜。続き楽しみにしています♪頑張ってください!! (2020年4月1日 15時) (レス) id: bc6f57181b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零
| 作成日時：2020年3月21日 21時
