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服のサイズはほんの少し大きいくらいで、キャップの方は何の問題も無い。元々の顔立ち___素材が良いから服も割と…いや、正直めちゃくちゃ似合っている。
別にそんな趣味は無いけど、純粋に笑ってくれれば尚良いんだろうな。羨ましい。
『うーんと…赤井、君だっけ?』
「…あぁ」
『赤井君は、何であそこで座り込んでいたんだい?喧嘩でも買ったの?』
公園の屋根がある休憩スペースにて。
雨は小降りになってきていて、気温も先よりだいぶマシになった。それでもやっぱり天気の所為なのかいつもなら賑わう公園に、自分達以外の人影は無い。
「喧嘩じゃ無い」と小さく呟いた赤井君…。秀一君でも良かったのだが、あまり馴れ馴れしいのもな、とそこは少しの配慮だ。
それに年齢だって私と多分、十歳も変わらない。
『君は相手を殴った?』
「俺はそんな真似しない」
『…なんだ、殴ってないのか』
てっきり喧嘩っぱやいのかと。
俺を何だと思ってんだお前、みたいな目で見られるが仕方ない。声掛けたら睨まれたっていう印象が強くて。割と根に持つタイプだからな、覚えとけよ。
『うん、そこは最適解だね赤井君。殴って痛いのは君だろうからさ』
「…」
うんともすんとも言わずに顔を逸らした赤井秀一は、先程買った上着のポケットに手を突っ込んだまま。
このまま問い詰めて何かが得られる訳でも無さそうだし。それに、休日にまで犯人探しなんて誰がやるもんか。明日辺り監視カメラでも覗かせて貰おう。
再び彼の前に傘を差し出せば、ゆっくりと此方を見て怪訝そうに眉を潜める。そんな顔しなくても…
『…協力してくれてどうもありがとう、助かった。
今日はこのまま真っ直ぐ帰る事。
___それじゃ、私は行くよ』
何か言おうと口を開いた青年だったが、黙って傘を受け取って口を閉ざしてしまった。
何を言い掛けたのか気になるけれど仕方ない。またいつか会った時にでも問い詰めてやろう。
公園の休憩スペースに、彼を一人残して、ひらひらと手を振りながらその場を後にする。冷たい雨に打たれるがそこまで気にならなかった。
あ、しまった。
『…明日の仕事、増やしちゃったな』
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カーミィ - すごく面白いです。更新お願いします‼️ (6月11日 23時) (レス) id: 1079b99541 (このIDを非表示/違反報告)
Ray@二次元LOVE(プロフ) - 赤井さん…というか沖矢さん頭なでなで羨ましいのね(笑)……何それくっそ可愛ええな(真顔)推しが可愛すぎて辛い…更新楽しみにしてます! (2020年4月25日 16時) (レス) id: 15ab691acf (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 咲さん» 返信中々出来ずすみません。赤井さん格好良いですね本当…同士が沢山いる様で何よりです))格好良い=赤井秀一と勝手に脳内変換されるくらいにはなってます。ありがとうございます、これからも楽しめる作品に出来る様、更新頑張っていきたいと思います! (2020年4月25日 11時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - あずさん» 返信中々出来ずすみません。ありがとうございます!そう言って頂けると嬉しいです。言葉は大切ですよね(便乗)更新頑張ります! (2020年4月25日 11時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
咲 - すごく面白いです!更新されるのを楽しみにしています!赤井さんカッコイイですよね〜。続き楽しみにしています♪頑張ってください!! (2020年4月1日 15時) (レス) id: bc6f57181b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:零 | 作成日時:2020年3月21日 21時