▽11話___「忘れていいよ」 ページ16
話してみれば意外と可愛い子供だった。
表情こそ此方を疑う様な眼差しなのは大して変わってはいないが、それでも最初よかマシな気はする。
沖矢さんのいれてきたジュースを飲みながらニコニコしている姿は癒しの他何でも無い。
『ところで、コナン君。
コナン君はこの工藤邸の人の親戚なんだよね?』
「え?…、うん!新一兄ちゃんは僕の親戚だよ?」
『その親戚さんに、一緒に住んで貰おうとは思わなかったのかい?』
少しだけ瞳が揺らぐ。
「あーと、」と口籠って視線を宙に彷徨わせた彼は、結局足元に目をやった。
コナン君は今、知り合いの人の家に居候をしているらしい。何故その新一兄ちゃんとやらを頼らないのか謎で仕方ない。
…って、
FBIにいた頃の妙な詮索癖なんだよ、すまんコナン君
「うーん…そうなんだけどね、」
コナン君がへらりと笑ってこちらを見た。
…まさか、
私がコナン君と目線を合わせてみればぎくりと効果音が付きそうなくらい、笑みを痙攣らせたコナン君。
「何?」と上ずった声。
『…ごめん、聞かれたく無い事あるよね。
本当にごめんね…⁉言わなくて良いからね』
聞いちゃいけなかったやつだろうか、多分。親が幼い時に亡くなった、とか。親戚の新一兄ちゃんの身にも何かあった…とか。
理由の候補はいくつかあるけど、
それをこんな小学生に追求出来まい。
「…へ、?」
『忘れていいよ、今の』
「…ぁ、いや!違くて‼
新一兄ちゃん達、今海外にいるから!戻ってくるまで蘭ねぇちゃんと一緒にいるんだよ」
海外。
首を横に振って否定をするコナン君。ふと沖矢さんの方を見れば面白そうにこちらを見ては笑っていた。
余裕な笑みを殴りたくなるが、それをやっては私に最大の危機が訪れる。
『あ…そういう事か。成る程ね、海外にいるんじゃコナン君も寂しいね』
「う、うん」
『いつでも遊びに来るといいよ。私が出来る事なら、一緒にやってあげるからさ』
退屈はさせないと思う、と付け足せば少し眉を潜めながら様子を伺う様に私を見たコナン君。
「なんでも…?」
『…?』
「ほ、ホームズとか…」
…お前もかい。
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カーミィ - すごく面白いです。更新お願いします‼️ (6月11日 23時) (レス) id: 1079b99541 (このIDを非表示/違反報告)
Ray@二次元LOVE(プロフ) - 赤井さん…というか沖矢さん頭なでなで羨ましいのね(笑)……何それくっそ可愛ええな(真顔)推しが可愛すぎて辛い…更新楽しみにしてます! (2020年4月25日 16時) (レス) id: 15ab691acf (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 咲さん» 返信中々出来ずすみません。赤井さん格好良いですね本当…同士が沢山いる様で何よりです))格好良い=赤井秀一と勝手に脳内変換されるくらいにはなってます。ありがとうございます、これからも楽しめる作品に出来る様、更新頑張っていきたいと思います! (2020年4月25日 11時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - あずさん» 返信中々出来ずすみません。ありがとうございます!そう言って頂けると嬉しいです。言葉は大切ですよね(便乗)更新頑張ります! (2020年4月25日 11時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
咲 - すごく面白いです!更新されるのを楽しみにしています!赤井さんカッコイイですよね〜。続き楽しみにしています♪頑張ってください!! (2020年4月1日 15時) (レス) id: bc6f57181b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:零 | 作成日時:2020年3月21日 21時