#黒外套の青年は ページ25
ー芥川sideー
何故太宰さんは居なくなったのか。僕はまだ_____
芥「あ、」
不覚にも声を漏らしてしまったのは、向かいから来た笑顔なAさんがいたからだ。
_____彼の人も変わってしまった
中原幹部に云われた通りの対応は出来なかった。成る可く、変に目立ってAさんが仕打ちを受けない様考慮するしか出来ない。自分は無力だとあの日から何度も思わされた。
僕と目が合って、Aさんは手を振って此方へ来てくれた。
『今日は非番?』
芥「いえ、樋口と情報収集があります」
『成る程。それじゃ今は待ち合わせか。今回のは武装集団って云ってたから彼女の銃が役に立ちそう』
芥「そうですね」
『相変わらず静かだね君』なんて笑うのは昔の顔のまま。相変わらず?これが普通だ。貴女が妙に変わってしまっただけだ。
あの織田という男がいなくなってから、貴女は変わってしまった。
芥「そういえば、Aさんは最近ナイフでの戦闘はしないのですか」
その言葉にピクリと反応したらしいAさんは手をひらひらと振った。
Aさんは近接での戦闘力が高く、愛刀だってあった筈だ。最近はそれを見ない。
『私は鈍間だから無理だよ。何時の話してる?』
芥「…しかし、」
『芥川君、昔と今はもう違うよ。
太宰さんは居ない。いい加減気づいて、私の事は如何でもいいから』
違う、そうじゃない。
太宰さんじゃない。彼の人は心配せずとも上手くやっていけてるに決まってる。そもそも僕の心配なんて必要としてない。
必要にしてるのは貴女の方だ。何故変わった、何故気づいてくれない、何故笑える、
「芥川先輩!」
遠くから樋口が駆けてくる。少し不服だが樋口も自分と同じ考えの様で、Aさんに冷たい対応をするのは辛いと云っていた。
___樋「Aさん凄い格好良くてですね!」___
___芥「そんな事は云われずとも承知している」___
樋口の初任務を同行したのはAさんだった。だから、そこらの構成員より親しかった筈。
樋「先ぱ……あ、Aさん、何してるんですか」
『別に何も』
樋「なら、早く自室に戻ったら如何ですか。仕事、あるんでしょう」
芥「樋口っ」
樋口と目が合う。今は堪えろ、とそう云われた気がした。
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★ayaka★(プロフ) - 面白かったです。すれ違いながらも互いを思ってるって良い話でした。 (2019年10月31日 1時) (レス) id: 65fd904e63 (このIDを非表示/違反報告)
燐華(プロフ) - 作品、29件ほど表示されましたよ。私の方では正常ですね (2019年9月8日 8時) (レス) id: 7838562921 (このIDを非表示/違反報告)
鏡の国のアリス - 完結(?)おめでとうございます!私此の作品だいっすきです!応援してます!お疲れ様でした。 (2019年9月7日 16時) (レス) id: f685bf0ca1 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 赤珠さん» ご報告ありがとうございます!申し訳ない、ホムペ利用小説が未公開になってました……()公開しました! (2019年9月3日 22時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - すみかさん» ご報告ありがとうございます。他の作品もですか……本当に嬉しい限りです、ありがとうございます!!! (2019年9月3日 22時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:零 | 作成日時:2019年8月14日 16時