#名探偵と傷だらけ ページ21
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はっきり云って任務は地獄。
云われた敵と二桁ばかり情報が違う。何かやらかすとは思っていたが………
森さんこれは流石に無いよ
とは云っても私だってマフィアの一員。中也に散々ボコされて、太宰さんに頭脳戦を叩き込まれた身。そう簡単には死ねなかった。
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『っ、イッタ……』
部隊を制圧して、全員叩き斬った。我ながら捨て身な作戦だが仕方ない。
だって私一人しかいないし…
力を振り絞って人気の少ない所へ移動する。近くに川が流れていて、今日は生憎の天気。雨だ。橋の下へ移動して、一人その場に座り込む。
〈やりたい事をやればいい〉
胸ポケットに忍ばせていた付箋を取り出す。紛れもない織田作さんの文字だった。
何度も報告書で見た字。
面白かった、彼の報告書は。猫の手助けだとか不発弾処理とか……あとは、そうだ!夫婦喧嘩の仲裁だとか。
最早万屋と化していた織田作さん…可愛そうだったなぁ
安吾さんも太宰さんも爆笑してたっけ。
「ねぇ、君。こんなところで何してるの」
急に現れた気配にぞっとして銃に手を掛ける。
ばっと顔を上げれば、其処にいたのは黄色の雨靴を履いた青年。探偵帽を被る彼は飴を片手に不思議そうにしていた。
殺すか……?いやけど、無駄な殺しは好きじゃないし。絶対、姐さんに怒られる。
「成る程ねぇ……なんだろう僕、最近マフィアばっかり見かける」
『は?』
「君もマフィアでしょ…あぁ、それと。
友人の復讐なら止めた方がいいよ?
自分では復讐のつもり無いだろうけど。そんな事したら本当に君が壊れそうだから」
何云ってるんだこの青年。
彼は私の視線を感じたのか「お菓子はあげないよ」と口走っていた。いや、要らん。
『貴方は誰ですか』
「え、もしかして僕の事知らない!?はぁ〜これだから一般人は
僕は世界一の名探偵、江戸川乱歩だ!いい!?覚えた??!」
『そうですか江戸川さん、それじゃ』
重い身体をゆっくりと起こす。遠くの方から「乱歩さん」と呼ぶ声がしたからだ。
これ以上この探偵さんと関わっても良いことは無さそうだし、何より早く帰りたい。
彼に背を向ければ、興味無さそうに「気をつけて」と声を掛けられた。
大丈夫、
私はもう誰も信用しないから
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★ayaka★(プロフ) - 面白かったです。すれ違いながらも互いを思ってるって良い話でした。 (2019年10月31日 1時) (レス) id: 65fd904e63 (このIDを非表示/違反報告)
燐華(プロフ) - 作品、29件ほど表示されましたよ。私の方では正常ですね (2019年9月8日 8時) (レス) id: 7838562921 (このIDを非表示/違反報告)
鏡の国のアリス - 完結(?)おめでとうございます!私此の作品だいっすきです!応援してます!お疲れ様でした。 (2019年9月7日 16時) (レス) id: f685bf0ca1 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 赤珠さん» ご報告ありがとうございます!申し訳ない、ホムペ利用小説が未公開になってました……()公開しました! (2019年9月3日 22時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - すみかさん» ご報告ありがとうございます。他の作品もですか……本当に嬉しい限りです、ありがとうございます!!! (2019年9月3日 22時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:零 | 作成日時:2019年8月14日 16時