#死に急ぎ ページ20
ーAsideー
太宰治が失踪して一週間。
マフィア内は未だ騒然としていて、ただ一人森鴎外だけが平然を装っていた。マフィア内に流れ込む異様な空気。
一部しか知らないその真実に、首領ですら目を瞑った。
"織田作之助の死亡"
森「太宰君がいなくなったの、何か知ってるかな？Aちゃん
彼から聞いた話とか……。」
目の前にいるポートマフィア首領、手段を選ばない悪い人間だと今更ながら理解した。
悪い奴じゃない。これが最適解な事だとわかっている。
『無いです』
森「そう、嗚呼そうだ。体調の方は大丈夫かい？何か可笑しな所とかは？
あるなら、薬を渡すよ」
『無いです』
「怒ってる？」なんて聞く森さんは莫迦なんだと思う。
織田作さんが死んだのを受け入れていない訳でも、怒っている訳でも無い。
マフィアに入ってから、こういうことは何度も経験した。心構えだってできていた。
ただ____
『森さんから薬は貰わない』
無力な自分が大嫌いになっただけの事。
首領に毒を盛られたのは分かっている。その後解毒剤を投与されたのも。
執務室に入って森さんに云われのは、私が寝ている時の事。全て包み隠さず話された。それは良しとしよう。
森「君に任務を与えようと思う」
『太宰さんがいなくなった今、マフィアは使い物になりませんよ』
森「そうだね。だから冷静な君だけに頼もうと思う
やれるね？
何、簡単な任務だよ。いつも通り敵を倒してくれれば良い」
その場に居たくなくて、すぐに返事をして部屋から出る。
.
武器庫に入り、銃と短刀を忍ばせた。森さんに云われた情報が確かなら…まぁ頼れる情報なんてそれしか無いのだが。
仕方ない、
「任務ですか」
後ろから少し上擦った声が聞こえた。よく聞いていたその声に反応して、振り向けばそこにいたのは黒外套を着た少年。
『そうだよ芥川君』
芥「僕も行きます」
『駄目だ。来なくて良い、それに…それに、上司を失って精神が安定してない君を連れてっても無駄』
突き放す様に話してマフィアを出る。
芥「Aさん、」
『すぐ戻る』
無事に此処へ帰れる事は望まない。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 922人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
★ayaka★(プロフ) - 面白かったです。すれ違いながらも互いを思ってるって良い話でした。 (2019年10月31日 1時) (
レス) id: 65fd904e63 (このIDを非表示/違反報告)
燐華(プロフ) - 作品、29件ほど表示されましたよ。私の方では正常ですね (2019年9月8日 8時) (レス) id: 7838562921 (このIDを非表示/違反報告)
鏡の国のアリス - 完結(？)おめでとうございます！私此の作品だいっすきです！応援してます！お疲れ様でした。 (2019年9月7日 16時) (レス) id: f685bf0ca1 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 赤珠さん» ご報告ありがとうございます！申し訳ない、ホムペ利用小説が未公開になってました……()公開しました！ (2019年9月3日 22時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - すみかさん» ご報告ありがとうございます。他の作品もですか……本当に嬉しい限りです、ありがとうございます！！！ (2019年9月3日 22時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：零
| 作成日時：2019年8月14日 16時
