▼悪夢の再来39 ページ40
俺はあれからすぐに柳谷と別れた。まあ、別れるも何も疑似カップルだし、好きだなんだもないのだが。あまりにも早すぎた為か「結局好きなんかい」と呆れられた顔をされた。
要するに、俺はまんまと柳谷の作戦に引っかかり、見事穴に落ちたのである。
俺に恋人ができたのをきっかけに、Aに突っかかるメンバーは多いしで、今までゾムたちを家に上げるタイミングを考えていたのもそれを避けたくての事だ。
Aな顔がどうなるのか、とは言っていたが結局柳谷は、それを見た俺の反応を見ていたらしい。
Aに気がないなら、Aが何の躊躇いもなく柳谷と俺の関係を応援しても、俺は何も引っかかる事はないだろうからと。
ごもっともであった。
俺はしっかり、あの何とも思ってなさそうなAな顔に絶望しかけた。
Aは俺のことを、本当にただの幼馴染だと思っているのだと。
うかれてるのは俺だけである、と。
悲しげな顔をしていたら、ちょっとは期待できたのに。
tn「A、手」
そう言って手を差し出せば、ぴた、と立ち止まるAが視界に入った。
昔からの癖だった。深い意味はないし、こいつはよく迷子になるからと染みついたものだった。
tn「早よ。団子屋行く…って、なに、体調悪いん？?」
『いやだって、手は繋がずとも…』
tn「何を今更照れることがあるん…昔っからこうやろお前は。迷子になって探すの俺なんやからな」
素晴らしい幼馴染を持ったことに感謝しろ、と普段通り、冗談半分に笑いかけた時だった。
いつもならきっと、Aは笑いながら『黙ってろ』と返ってくるはずなのに。それが無くて、俺は嫌な予感がして、差し出した手を引っ込めた。
ボロ、と堪えていた涙がAの頬に流れた。
わけがわからなかった。
どこに泣く要素があったのか。何年も共に生きてきて初めてことだったから。
tn「A、？」
『幼馴染は、都合、よすぎやろ』
その言葉は、俺に深く突き刺さった。
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ニノ(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。完結おめでとうございます！！最初幼馴染みの子が何かやからすんかなと思いながら更新を待っておりましたが、最後の最後で「あっ」となり同時に暖かい気持ちになりました。見事に釣られた気分です。素敵な小説を有難うございました！ (2022年12月10日 18時) (
レス) id: 36c64675ec (このIDを非表示/違反報告)
タラバババ - 完結おめでとうございます‼語彙力皆無なのでいいコメントできないですが、とにかく面白かったです‼‼ (2022年12月9日 22時) (レス) @page44 id: 3e7e23078b (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 月の光さん» 私自身が言うのも可笑しな話ですが、本当におめでとうございます（？） 最後まで応援していただいてありがとうございます！嬉しい限りです！なんと新作の方も…！？ではまたお会い出来るのを楽しみにしておりますね☺️ 本当にありがとうございました！ (2022年12月9日 18時) (レス) id: 7ee9bc58ce (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 瀬田さん» とても心温まる感想、本当にありがとうございます。作中は何かと焦らす場面が多いなぁと書いている私自身も感じておりました。無事完結できて良かったです…！最後まで読んでいただきありがとうございました☺️ (2022年12月9日 18時) (レス) id: 7ee9bc58ce (このIDを非表示/違反報告)
月の光 - おめでとうtn氏！！おめでとう夢主ちゃん！！陰ながら応援させてもらってました。完結おめでとうございます！！ 新作行ってきます！！ (2022年12月4日 19時) (レス) id: f3c01cad39 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零
| 作成日時：2022年8月19日 8時
