▼悪夢の再来38 ページ39
遡ること数ヶ月前。
.
柳谷とは講義が一緒で、Aのマブということもありよく話す仲になった。そして出会い頭早々に「お前、私のマブ好きなんやろ」とど正面から殴りかかられた。なんだっていうんだ。理不尽な。
yng「桃瀬…お前Aの事泣かせたら承知せんからなほんまに！」
tn「はぁ…？何を言ってるんですかねぇ？？俺はアイツに釣り合う様な人間じゃないし、そもそも好きだとかなんで、」
yng「ｺﾛｽ」
悪魔の様な顔をした柳谷にゾッとしながらもレポートを書いていく。
yng「Aに対してなんも思ってへんのやろ？桃瀬」
tn「当たり前やろ。アイツは幼馴染なんやから」
俺の左手に、スッと手を重ねた柳谷は死んだ顔をしている。なんだ急にとジト目で柳谷を見返せば、彼女は心底嫌そうな顔をしながら口を開いた。
yng「じゃ、お試しでええから、私と恋人になってみろ」
tn「………は？」
yng「お試しやで？優しい優しいトントンくんは人の気持ちを秒で踏み躙れる様な人間じゃないもんなぁ(A調べ)？？今適当に断ったら私傷ついちゃうなぁ…？」
tn「…」
yng「桃瀬に恋人ができたらAはどんな反応するんやろうね」
ピシッ、と固まった。
なんでそうなんねん。
俺とAは幼馴染やし、お互い恋人ができようが出来まいが何も関係はない。なんとも思わないどころか、祝福だってできるはずだ。そういう関係なのだ、俺らは。
柳谷は怪訝そうな顔して俺を睨んだ。
tn「……」
yng「嫌われたらどうする、みたいな顔しとるけど別に好きでもない相手に嫌われたところで何でもないやろ」
ただ、俺が誰かと付き合ったら、Aはどんな顔をするのか。
俺のことを止めてくれるだろうか。手を引いて引き留めてくれるだろうか。淡い期待を抱いて、柳谷の作戦にまんまと引っかかってしまった訳だが…
.
『どうしたん顔くらいで』
tn「…なんでも」
課題はあっさり裏切られて、Aはなんの嫉妬も見せることはなくおめでとうと言った。
俺はそれでやっと、自分の強欲さが理解できた。
依存してるのは俺の方ではないか。
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ニノ(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。完結おめでとうございます！！最初幼馴染みの子が何かやからすんかなと思いながら更新を待っておりましたが、最後の最後で「あっ」となり同時に暖かい気持ちになりました。見事に釣られた気分です。素敵な小説を有難うございました！ (2022年12月10日 18時) (
レス) id: 36c64675ec (このIDを非表示/違反報告)
タラバババ - 完結おめでとうございます‼語彙力皆無なのでいいコメントできないですが、とにかく面白かったです‼‼ (2022年12月9日 22時) (レス) @page44 id: 3e7e23078b (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 月の光さん» 私自身が言うのも可笑しな話ですが、本当におめでとうございます（？） 最後まで応援していただいてありがとうございます！嬉しい限りです！なんと新作の方も…！？ではまたお会い出来るのを楽しみにしておりますね☺️ 本当にありがとうございました！ (2022年12月9日 18時) (レス) id: 7ee9bc58ce (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 瀬田さん» とても心温まる感想、本当にありがとうございます。作中は何かと焦らす場面が多いなぁと書いている私自身も感じておりました。無事完結できて良かったです…！最後まで読んでいただきありがとうございました☺️ (2022年12月9日 18時) (レス) id: 7ee9bc58ce (このIDを非表示/違反報告)
月の光 - おめでとうtn氏！！おめでとう夢主ちゃん！！陰ながら応援させてもらってました。完結おめでとうございます！！ 新作行ってきます！！ (2022年12月4日 19時) (レス) id: f3c01cad39 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零
| 作成日時：2022年8月19日 8時
