占いツクール
検索窓
今日:265 hit、昨日:271 hit、合計:57,235 hit

#声 ページ38

ー太宰sideー



隣に座る彼はペットボトルを握らながらぼーっと前を向いている。



『人って不便ですよね』

太「…………そうだね」



不意に発せられた言葉。

彼は今日、よく喋る。初めて会った時は無表情で交わした言葉は『別に』という一言だけ。
最早会話なのかどうかすら判別としないこの短い単語だけだ。

それに比べれば彼はよく喋るようになった。




太「君のような怪我をして、痛みが突然現れるし…物理的にだけならまだしも精神的に残る痛みもある」

『治したくても治せない』

太「若しかして君が修理屋に執着する理由はそれ?」




ぱっと私の方を見た彼の瞳は真っ直ぐで。

今少しだけ、彼が修理屋を辞めない理由が分かった気がした。気がしただけだけれどね?




太「人が治せないならせめて他の物を直そうって?」

『…………云ってしまえばそうなるんでしょうね』

太「ふぅん…けど、人間を治せるのはお医者さんだよ?君がそう気に病む事ないんじゃ無い?」




『そうなんですけど』と口籠るA君。
あれ?私何か不味い事聞いた……?
まぁいっか!←



『信じなくて良いので聞いてくれますか?』




私の方を見た真剣な顔つきが、何故か旧友を思い出させた。少しだけ跳ねる前髪が、無口そうだが口を開けば面白いところが、

矢張り何処か似ている。



『太宰さん』



_____太宰


はっとして彼と視線を合わせる。
『大丈夫ですか?』と心配する彼にこくりと頷いて、話を聞いた。




太「少し考え事してただけだよ」

『…そうですか』

太「それで?話って?」

『……実は、』




そう口を開いた彼は仕方なく苦笑する。
無表情と驚いた顔、それから苦笑。まだまだ表情のレパートリーは少ないが、この調子なら無表情なんていうレッテルも剥がれるのかな?




『声が聞こえるんです』

太「声?」

『……はい、人だけじゃ無い。物や動物からも…全てのものから』




幼い頃からだと彼は付け足した。
話によると、それは一時的に聞こえるものであってずっと聞こえている訳では無いらしい。



『思っている事とか、感情とか…まぁ俺が聞こえるのは殆ど愚痴や助けて、っていう声ですけど』




そう云って彼は再び公園の広場の方に視線を向けた。


.

#異能者→←#頼る頼らない



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (110 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
318人がお気に入り
設定キーワード:文スト , 探偵社 , マフィア
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

赤珠 - 完結おめでとうございます!!雫さんの一ファンとして他の掛け持ち作品も楽しみにしています! (8月18日 20時) (レス) id: 8dc3cc174c (このIDを非表示/違反報告)
557*ココナ(プロフ) - 完結おめでとうございます!お疲れ様でした。 他の掛け持ち作品も頑張ってください!! (8月18日 20時) (レス) id: 5b405d618a (このIDを非表示/違反報告)
赤珠 - なら夢主さんの写真ください作者様← (8月1日 22時) (レス) id: 8dc3cc174c (このIDを非表示/違反報告)
ちくわさん(プロフ) - 赤珠さん» フハハハ!残念だったな!← (8月1日 21時) (レス) id: 085b7fa5ef (このIDを非表示/違反報告)
赤珠 - ちくわさんさん» なん…だ…と…←← (8月1日 21時) (レス) id: 8dc3cc174c (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2019年7月12日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。