【d!】私、もう長くはないんです

▽意味24 ページ24

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深夜２時。

ばたばたと城内が騒がしくて目が覚めた。
侍女達はそれで少し目が覚めたらしく、何事かと扉を開けた。大部屋にあるアマチュア無線は繋がることなく、砂嵐だけが聞こえてくる。

何かあったのかしらと不安になる侍女達よそめに、ふとカーテンを開けて窓を見やった。

目を凝らせば城の門前で火の手が上がっている。

戦まではまだ10日もある。


『私ちょっと見てきます』

「だめよ！あなたはここにいなさい、私が行って参りますから」

『シグレ侍女長よりも、訓練を受けている私の方が動けます』

「いいえ、いけません」


敵の奇襲か。そんなの戦争に関する国際法に反しすぎてる。これが議会にいけば、敵は他国からも攻撃を受けて潰されることだろう。

だだだっ、と足音が聞こえてきて、勢いよく扉が開かれた。怯えた侍女たちはまとまって部屋の片隅に隠れた。


syp「射撃部隊副隊長ショッピです、落ち着いてください。たった今敵国から奇襲を受けました、貴女方は部屋から出ずにお願いします」

「敵襲…」

syp「ご安心を！！我々国軍、必ずやこの城…いえ、国を守って見せましょう。その為に私共がいるんですから」


小銃片手にしているあたり、どうやら副隊長ですら武器がまともに手に入らない状態らしい。ライフルなんてショッピ様の戦闘スタイルについていけるわけがない。

私は急いで私の分の銃を取り出して彼に渡した。


『ショッピ様、これをお使いください。無いよりはマシでしょう』

syp「Aさん…すみません、今日ばっかりはお言葉に甘えます」

『えぇ、ご武運を。この場はお任せください、全員私が守りますから』

syp「頼んだ」


そう言って、ばたん、と勢いよく閉めて出て行ったショッピ様は足早に駆けていった。


その日の奇襲、火の元はあっという間に消化された。突っ込んできた相手の兵士は自決をして、最悪の結末に終わったらしい。

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