▽意味28 ページ28
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開戦当日。
楽師の合図で戦争ははじまった。
既に向こうからすればとっくに地獄の釜の蓋は、あの奇襲の時に切られているらしかった。凄まじい轟音と共に酷い爆発音が聞こえてきた。
恐らく今ので前衛の数百人が吹き飛んだ。あっという間に散っていくその兵士たちは、生きている者は、どんどんここへ運ばれてくると言う。
前線を切って進んだであろうゾム様の姿が目に浮かぶ。
微かにする硝煙の匂いがもう既に嫌だ。
塹壕を進んでいく部隊を想像するだけで怖くなってしまった。震える手を押さえながら、顔には出すまいと必死に堪えた。
「いや、しにたくない」
横で震える侍女はもう半分ほど気が狂い始めていた。
まだ開戦からして半日だ。休む間もなくゴゥンと響く轟音に、遠くから聞こえる怒号が流れる。増えてきた負傷兵は救護班では手が足りなかった。
半日でこの有様では一体どうなるのやら。
「すまん！侍女さん、救護医療の物資が一箱届いてないがそちらにないか！」
「ありません！」
『私、取ってきます。必要なのでしょう、その箱』
「あっ、あぁ…！しかし君、」
『ご心配なく、これでも侍女の中ではいちばん強いんですから』
少なくとも貴方のような腰抜けの医者よりは。手も震えて碌な医療もできない無能な貴方よりは。
私はガチャガチャと頼りのない銃をホルダーにセットし直して、一目散に駆け抜けた。城まではそう遠くない。が、城へ攻撃が落ちることは少なくない。
上空から狙われたらお終いだと走り抜けた。
途中、死体の山を駆け抜けた。
血みどろになった手足はもう誰の血なのかもわからず、もしかしたら私のものも混じっているかもしれない。
なんとか見つからずに城へ入って、一目散に倉庫へと走った。幸いにも医療機器はすぐに見つかって、私は少し大きめの箱を持ち出した。
_____刹那、
頬ギリギリを弾丸が飛んだ。
それから、キィィンッ、という金属音も。
tn「何しとるん」
彼は、怖い顔をしていた。
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優斗サブ＠２(プロフ) - 更新だ…！なんとも淡々としていて妙にリアルなこの小説が好きです…！ (2022年12月6日 19時) (
レス) @page18 id: 8ea04a0aaf (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 優斗サブ＠２さん» そのように思っていただけたようで何よりです。個人的にシリアスなものが好きなので、そう言っていただけて飛んで喜びました。お気に入り登録ありがとうございます！最後まで楽しんでいただけたら幸いです😌 (2022年12月5日 19時) (レス) id: 7ee9bc58ce (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - y1157aさん» 心温まる感想、ありがとうございます。他作品も読んでいただけたとは…！嬉しい限りです。パスワード作品に関しましては殆どが制作中ですので、出来次第順次公開していく予定ですので、暫しお待ちいただけたらと思います。作品投稿全力で頑張ります！！☺️ (2022年12月5日 19時) (レス) @page7 id: 7ee9bc58ce (このIDを非表示/違反報告)
優斗サブ＠２(プロフ) - よくある、悲劇のヒロインの皮被った作品なのかなぁと思ってた自分を殴りたいです…いや殴ります。こういうタイプのシリアスを求めてたんすよね…！！！！！お気に入り登録失礼します(⌒∇⌒) (2022年12月5日 18時) (レス) @page9 id: 8ea04a0aaf (このIDを非表示/違反報告)
y1157a(プロフ) - 作品大好きです。1度見て全ての作品読ませて頂きました。もしよろしければパスワード付きの作品を読ませていただければと思い感想の方投稿させて頂きました。新作の作品投稿これからも頑張ってください応援してます！ (2022年12月5日 0時) (レス) id: 24a3afa354 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零
| 作成日時：2022年8月9日 8時
