100年 ページ25
「はい、着いたよ。」
少し立て付けの悪い扉を開けながら店の中に入ると櫻井くんはキョロキョロと周りを見渡してる。
あ…これ。とか言いながら本を手に取ったり骨董品を集めるのが趣味の重信さんのコレクションをまじまじと見つめてる。
「重信さん〜、この間言ってた友達連れてきたよ。」
「おぉ〜、ちょっと待っとれ。」
よいしょ、って言いながら重信さんが店の裏側から出てきた。
「こちら同じクラスの櫻井くん。
本が凄く好きなの。」
「･･･君は･･･。」
「あれ？重信さん櫻井くんと知り合い？」
「あ、いや･･･ゆっくりしていくといい。」
重信さんはそう言ってまた店の裏側に戻っていった。
今一瞬だけど櫻井くんを見た重信さんの様子が変わった気がしたんだけどな･･･。
「･･･あ、そっちの本棚が
1番古い本が集まってるの。」
気のせいかな？と思いつつ櫻井くんを案内する。
「凄え･･･この本まだ持ってる人いたんだ。」
「その本ボロボロなんだけど重信さんが
ずっと置いてるの。有名なの？」
「うん、有名だよ。100年くらい前に
凄い流行ってた。」
･･･凄いな、100年も前の本も読むんだ。
「100年前なんて凄く昔だね？」
「･･･100年なんてあっという間だよ。」
櫻井くんがどこか遠い目をした。
どこか大人びた表情の櫻井くんにどきっとする。
･･･やっぱり櫻井くんは不思議だ。
「おおい、櫻井くんちょいとこっちに来い。」
重信さんが櫻井くんを呼んだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 253人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
cherrys(プロフ) - ともさん» いつもコメントありがとうございます！励みになってます(^^)無事に2人が結ばれることができてホッとしています笑次回作も読んでいただけると幸いです(^_^) (2021年4月30日 18時) (
レス) id: 52f53e81b2 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 完結お疲れ様でした。ずーっと孤独で寂しかった翔くんを心から温めてくれた彼女ちゃんが愛おしくてキュンキュンしました(笑)彼女ちゃんの勇気と行動力に拍手♪♪素敵なお話をありがとうございました。 (2021年4月30日 17時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
cherrys(プロフ) - ともさん» ともさん返信ありがとうございます！ほんとですよね、この主人公ちゃんだいぶメンタルが強いと思います笑まだまだ謎めいた櫻井くんですが最後までよろしくお願いします(^^) (2021年2月13日 17時) (レス) id: 52f53e81b2 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 私なら…絶対心が折れて凹みそう(笑)でも〜主人公ちゃんは意地を張っている訳でもなく自然体で行動しているのがイジらしくて良いですね。この先の櫻井くんがどぉー変化していくのか楽しみです(笑) (2021年2月13日 9時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：cherrys | 作成日時：2021年2月13日 1時
