真夏の夜は貴方を想う3【SS】完結 (ページ9)

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正義の味方ページ9

っ、櫻井先生…

振り返るとそこには冷めた表情で
男子高校生を見つめる先生がいた。

「誰だ？お前。」

「その腕、離してよ。
　嫌がってるでしょ？」

先生は表情１つ変えない

「っお前には関係ねーだろ！
　早くどっか行けよ！」

そう言って、男子高校生は私の腕を離してくれない。

「……ギャーギャーうるせーなぁ
　まだ何の責任もとれねーガキが、
　こんなとこで盛ってんじゃねーよ。」

　
…っ
櫻井先生はその場が凍りつくような
低い声でそう言った。

「ふっ、ふざけんな！
　もういい、行くぞっ」

先生の噛み付くような目に圧倒されたのか
男子高校生たちは逃げていった。

「…大丈夫か？」

さっきの冷めた表現とは打って変わって、
凄く心配そうな表情をしてる先生。

さっきまでの張り詰めた緊張感が溶けてゆく

「先生っ…！」

「わっ、っぶねぇ…」

私は思わず先生の胸に飛び込んだ。

「怖かったです…」

「ん…早く気づいてやれなくてごめん。」

ギュッーー

先生が私を抱きしめ返す。
そのまま先生の胸の中にいること数十秒…

(……っ、よく考えたら私凄く大胆なことしてる！？)

ドンッーー

そう気づいた私は勢いよく先生から離れた。