真夏の夜は貴方を想う3【SS】完結 (ページ22)

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無我夢中ページ22

あれから私は無我夢中で勉強をした。
勉強をしていないと余計なことを考えちゃいそうで

ただひたすらに過去問を解いた。

そして、今日から冬休みが明け3学期が始まる。

「ねっ、聞いた？
　うちの学校で付き合ってた教師と生徒
　バレて教師の方が退職になったらしいよ？」

っ…！
席についた途端そんな声が聞こえた。

一瞬、櫻井先生のことが頭によぎったけど
私たちは付き合ってなんかなかったもん。

まさかね…
なんて、ドキドキしてると

ムニッーー

また二宮くんに頬を掴まれた。

「なっ、急になんなの。」

「いや？誰かさんが挙動不審すぎるから。
　何、まさか教師と付き合ってたのってお前？」

「っ…！」

思わずビクッとしてしまう。

「…え。マジなやつ？」

二宮くんが真顔になる。

「ちっ、違うよ！私は振られたんだから！」

「…振られた？」

しまった、思わず言ってしまった。

「振られたってなんだよ！
　翔ちゃんに告ったの？」

「…うん。振られたよ見事に。」

「何で振られてんだよ……。」

「は？何よ喧嘩売ってんの？」

私がそう言うと、

「……ハァ。何やってんだよ翔ちゃん
　それで守ったつもりかよ…。」

二宮くんがそう言った。

「ねぇ、どういうこと？」

「…とにかく。お前は勉強だけしてろ馬鹿。」

っ…何なの。

この日二宮くんが言ってたことは
私にはよくわからなかった。