真夏の夜は貴方を想う3【SS】完結 (ページ19)

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白い世界ページ19

反則だよこんなの…

目の前に広がる幻想的な世界と、
先生と2人きりでいる夢のような空間。

さっきまでの寒さなんて嘘みたいに、
凍えていた心が解かれる。

「「あ…」」

先生の声と重なった。

「先生、雪…」

「うん、綺麗だな…」

お互い黙って窓の外を見つめる。
…この白い世界にずっと2人でいたい。

私はそう願いを込めた。

私の想いはもうこれ以上抑えられなかった。

何処から込み上げてくるのか分からない
あなたに会いたいと思う気持ちも、
言葉にはならない切ない想いも、

全部、全部、貴方に伝えたい。

「はい、到着。」

ほら、着いたよ
先生がそう言った。

だけど、私はそこから動けない。

「ん、どうした？」

そう言って先生が私の方を向く。
目が合い、見つめ合う。

ジワッーー

涙が溢れてくる。

「えっ、どうした？どっか痛いのか？」

私の突然の涙に先生は戸惑ってる。

違うの、違うの先生。

ねぇ、どうして？どうして涙が出ちゃうんだろう。
私にもわからない。

「っ、先生…私っ…
　私、櫻井先生が好き…っ」

気づいた時には、私は先生に想いを伝えてた。