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「そっかそっか。じゃあさ、バスに乗る時間になったらきっとみんなが迎えに来てくれるから、一緒に行ってみて、やっぱり辛いなって思ったら先生と車で行こうよ。先生もバスまで着いて行くし、もしバスに乗れそうなら先生もバスに乗るよ」
「おれ、ちゃんとしてない、」
「そんなことないよ。頑張ってるの、みんな分かってるよ。挑戦して偉いね」
「俺、もっと頑張りたいんです」
「そっかそっか。それも大切なことだよね」
否定も肯定もせずに、全体の話を聞いて暫くすると、3人が松倉くんを迎えにきてくれる。
「どう？バス行ける？」
優しい宮近くんの声に頷いて立ち上がる。
「行くだけ行ってみて考えればいいよ」
4人の生徒たちと一緒に歩いて、あらかた乗車の終わったバスに乗り込む。狭い階段を登って通路に立つと、松倉くんがヒュッと息を吸い込む音が聞こえた。
「松倉くん？」
動けないでいると、生徒たちの注目が集まる。
「大丈夫？」
クラスメイトからかけられた言葉に、今度は宮近くんの動きが止まった。
「あのねぇ、ちょっとちょーし悪いんだって！でも大丈夫だから！」
それを察したのか、松田くんが大きな声を出して注目を集める。その隙に中村くんが宮近くんと松倉くんをバスの外に押し出した。
「せんせーよろしくね」
「うん。宮近くんも、一緒に車で行こうか」
そう聞くと小さく頷いて、しめが用意していた校用車に乗り込んだ。
「っ、、」
助手席に乗せた宮近くんが俯く。
「どーした？」
しめが隣から背中を摩ると、ぽろりと涙を零した。
「やっ、ぱり、だめだ、」
「ダメじゃないよ。苦手なことと得意なことがあっていいんだよ。今日は無理しなくていい日。楽しい思い出だけ作ればいいの。全部が全部頑張らなくていいんだよ」
「ちゃか、、ごめんね、おれが、」
「違うよ、松倉は悪くない、、俺が、」
「でも、、」
「ほらほら、大丈夫。2人とも悪くないよ。お互いのこと思い合えるって素敵なことだけど、どっちが悪かったとかじゃなくて、支え合えたんだったら、ありがとうで終わりにしよう？」
そう言うと、松倉くんが身を乗り出して、宮近くんの手を握る。
「ちゃか、ありがとう」
そう言うと、また宮近くんの目からは涙がこぼれてしまって、言葉は出なかったけど、松倉くんにはありがとうが伝わったみたいだった。
「さて、行きますか！早く行かないと、松田くんと中村くんに遅いって怒られちゃいそう」
「そうだね。出発しよう」
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イカ(プロフ) - みくさん» コメントありがとうございます！好きと言っていただけて、嬉しいです。これからも不定期になってしまうかもしれませんが、更新を続けていきたいと思っているので、今後もよろしくお願いします！ (2022年7月15日 6時) (
レス) @page46 id: bba6564774 (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - このお話、みんなあったかくて大好きです！何回も読み返すぐらいファンなので、更新楽しみにしています！！ (2022年7月15日 5時) (レス) @page46 id: 660cb7e6f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イカ | 作成日時：2022年6月27日 21時
