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「海斗、おはよう」
お弁当も用意して、いつものように海斗を起こすと、ゆっくり起き上がって、一筋涙を流した。
「かいと？」
「遠足、、いける、かな」
「大丈夫だよ。たくさん準備したし、先生にもお話聞いてもらったじゃん。もし辛くなったら早退していいよ。僕も今日はいつでも迎えに行けるし、先に七五三掛先生と学校に戻ることもできるって言ってたよ」
「ん、、」
「海斗は、大丈夫だよ。お友だちもいるもんね」
そういうと頷いて、ベッドから降りる。遠足だから、昨日から用意していた私服に着替えて、朝食を食べた。
「薬飲んでね。お昼も、忘れないようにね」
「うん、わかった」
「ポケットのお薬も持った？」
「持った」
「よし、じゃあ、いきましょう！」
いつものように手を引いて、学校に向かった。
・・・
Chaka
「あ、松倉だ」
「ほんとだ！かいとー！」
今日は外に集合だから、教室へは行かずに、昇降口の前で元太と話していると、松倉が車から降りて、お兄さんに手を振っていた。
「むかえにいこー」
「そうだね」
まだ出会って1ヶ月くらいだけど、松倉の苦手なことはなんとなく分かってきた。元太が吉澤先生から聞き出してきたこともあるけど、それ以外にも、一緒にいる中で見えてきたことが沢山ある。松倉はたぶん、ひとりでいることが苦手だ。そして、お兄さんのことが誰よりも大切。あとは人がランダムに動く空間も、いつもと違うスケジュールも苦手。だから、遠足はたぶん、松倉にとって、苦手なことがたくさんある。出来ることはあまりないし、自分がいっぱいいっぱいになってしまうこともあるけど、出来る限り、松倉を支えて、助けたいと思った。こんな風に、他人を想ったのは、初めてだった。
「かいとー！おはよー！」
立ち尽くしている松倉に元太が声をかけると、パッと顔を上げて、足速にこっちに向かってくる。
「お、おはよ」
「おはよー！」
「おはよう。体調大丈夫？」
「うん、、大丈夫、、でも、」
「ん？」
「ちょっと、緊張してる、、」
「そうだよね。俺もだよ」
「ちゃかも？」
「そうだよ。俺も全然参加してないもん。でもさ、今日は楽しみかも」
「ん、、俺も」
「ねえ、あれ海人んちの車じゃない？」
「本当だ。起きられてよかった」
「むかえにいこー！」
朝はぼんやりしている海人も合流して、集合場所に向かった。
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イカ(プロフ) - みくさん» コメントありがとうございます！好きと言っていただけて、嬉しいです。これからも不定期になってしまうかもしれませんが、更新を続けていきたいと思っているので、今後もよろしくお願いします！ (2022年7月15日 6時) (
レス) @page46 id: bba6564774 (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - このお話、みんなあったかくて大好きです！何回も読み返すぐらいファンなので、更新楽しみにしています！！ (2022年7月15日 5時) (レス) @page46 id: 660cb7e6f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イカ | 作成日時：2022年6月27日 21時
