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「今ね、吉澤先生が今日配るプリントをもらいに行ってるんだ。それをここで見ながら、書かなきゃいけないやつ、ゆっくりやろうか」

そう言うと頷いてくれたので、いくつか用意している机に荷物を置いて座らせる。しずが戻ってくるまでの間に、利用カードを書いてもらった。やっぱり今日も、気分は“こわい”だった。



・・・

Shizuya

「ただいまー、あれ」

「さっき起きたの。顔洗って、保健室でプリント書こうねってお話ししてたんだー」

「そっか、よかった。いろいろもらってきたよ」

向かいの机を逆向きにして、松倉くんの机につける。スラックスを握りしめて緊張している松倉くんに、ゆっくり話しかけた。

「松倉くん、これね、今日配るお手紙だって。ひとつずつ一緒に確認しよう」

丁寧に、丁寧に、学校生活が不安にならないように細かく伝えていく。ゆっくり伝えて、理解ができると安心するのか、松倉くんは少しづつ緊張を解いた。

「これはね、家庭調査票だ。おうちの人に書いてもらってください。今週中に提出だね」

しめが封筒を用意して、自分で持つものと、お兄さんに渡すものを分けられるようにラベルしてくれた。松倉くんは俺の話を聞きながら、ひとつづつ袋に仕分けていく。そうやってゆっくり過ごしていると、チャイムが鳴って、1時間目が終わったことがわかった。

「1時間目が終わったね。10分休み時間で、2時間目が始まるよ。教室行ってみる?」

そう聞くと、暫く間があって、縋るように俺の顔を見た。

「先生一緒に行けるよ。松倉くんの席の後ろにいようかな。そしたら、何かあったらすぐ行けるもんね」

そう言うと、小さく頷いた。よかった、学校生活を頑張りたい、教室に行きたいという気持ちはあるようだ。

「じゃあ、トイレ済ませて、行こうか」

荷物を片付けて、教室に向かう。人とすれ違うたびに、松倉くんは緊張して、少しづつ目に涙の膜ができてきてしまった。それでも、全員が着席してから静かに席に着いて、次々やってくる先生の話を聞くことができた。隣の席の松田くんが、興味津々と言った感じで見つめていたけど、まだそれに応える余裕はなさそうだ。

「次の時間は身体計測だから、多目的室に行きます。みんなで行くから、教室で待っててね」

担任の先生はその時間を締めると、松倉くんの席に近づいて目線を合わせる。

「大丈夫だった?」

そう聞かれると、松倉くんは小さく頷いた。

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イカ(プロフ) - みくさん» コメントありがとうございます!好きと言っていただけて、嬉しいです。これからも不定期になってしまうかもしれませんが、更新を続けていきたいと思っているので、今後もよろしくお願いします! (2022年7月15日 6時) (レス) @page46 id: bba6564774 (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - このお話、みんなあったかくて大好きです!何回も読み返すぐらいファンなので、更新楽しみにしています!! (2022年7月15日 5時) (レス) @page46 id: 660cb7e6f7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:イカ | 作成日時:2022年6月27日 21時

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