検索窓
今日:5 hit、昨日:15 hit、合計:53,588 hit

ページ11







「こんにちは。海斗くん、高校入学おめでとう。頑張ってるんだねぇ。今日はね、ちょっと辛そうだから先に点滴して、その後に検査して、先生とお話ししましょう。如恵留くん、時間がかかってしまうけど大丈夫?」

「大丈夫です。1日あいています」

「そっか。よかった。じゃあ、ゆっくり時間をかけてやっていこうね。はい、これが今日の頑張ることです。持っていてね。最初の頑張ることはなんですか?」

阿部先生は、毎回チェックリストを作ってくれて、海斗の不安が少しでも減るようにしてくれている。

「のえると、バイバイ」

「そうだね。看護師さんと一緒に行きましょう。今日はさっくんです」

「かいと〜!よし、行こうか。お荷物はさっくん持ってあげるよ〜」

「海斗、いってらっしゃい。頑張ってね」

その場はプレッシャーもあったのか、ゆっくり立ち上がって、小さい頃からお世話になっている佐久間さんの手を握る。でもすぐに、一時滞在用のベッドがある方から、海斗の泣き叫ぶ声が聞こえてきた。

「海斗、、」

「今日は、調子悪そうだね」

「はい、、昨日から本当に一瞬も離れられなくて」

「まず、心が落ち着くように点滴して、それからだね。採血は今しているから、その結果次第で栄養も入れようね。ちょっと痩せた感じするけど、食べられてない?」

「高校始まってからは、本当に少しづつという感じで、、昨日からお弁当を持たせてるんですけど、学校では口をつけてないです」

「食べられないのはちょっと心配だね。水曜日の絵画のときにも、体重測ろうかな。落ち着くまでは、毎週土曜日来た方がいいかもね」

「わかりました」

「都合大丈夫?」

「土曜日はあけてあるので」

「じゃあ、毎週朝一番で予約入れておくね」

「お願いします」

「如恵留くんはどう?疲れてない?」

「僕は、大丈夫です」

「そっか。よかった。でもね、自分が思ってるより、疲れてるし、不安だと思う。今日は日帰り入院にして、夕方まで海斗くん預かるから、ちょっとリフレッシュしておいで」

「でも、」

「これも練習だよ」

「はい、、お願いします」

診察室を出ると、また遠くから海斗の泣き声が聞こえてきて、何度か深呼吸をして、病院を出た。

・→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.4/10 (52 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
166人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

イカ(プロフ) - みくさん» コメントありがとうございます!好きと言っていただけて、嬉しいです。これからも不定期になってしまうかもしれませんが、更新を続けていきたいと思っているので、今後もよろしくお願いします! (2022年7月15日 6時) (レス) @page46 id: bba6564774 (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - このお話、みんなあったかくて大好きです!何回も読み返すぐらいファンなので、更新楽しみにしています!! (2022年7月15日 5時) (レス) @page46 id: 660cb7e6f7 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:イカ | 作成日時:2022年6月27日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。