�犖記瓮�ノがモテている。４【黒】

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○Aside



『あと何かいるものってあったかな…』





静かな部屋に自分の声が響く





散らかりまくった部屋の中で、唯一座れるスペースのあるソファーの上にスーパーのレジ袋を置く



少し前に置いたはずの旅行用のシャンプーとかは、まだ同じ場所にあって、蓮が気づいてるのかすらも分からないけど。





…まぁ、いつか気づくよね






蓮がデビューしてまだ１ヶ月も経っていないけど、Snow Manは各所で引っ張りだこらしい




蓮からはあまり聞いていないけど、事務所に出入りしていれば大まかなスケジュールはなんとなくわかる






肩にかけていたバッグからスマホを取り出す




ラインの画面を開くと、亮平くんからの通知が一番上に来ている



何回かスクロールすると蓮のトークルームを見つけられるけど、新しい通知はなかった





いつも通り。




蓮が忙しいのもわかってるし、自分が忙しい時もそうなっちゃうから別にいいんだけど





…ちょっと寂しいだけで、






でも、タイ行きの件に関して亮平くんから聞いたのは解せなかった




最初に聞いた時耳疑ったもん。





しかも、未だに本人から聞いてないっていう…





はぁ、と小さなため息が落ちる





最近は私の仕事も詰まってて、まともに顔も合わせられないからそうならざるおえなかった





『仕事、まだ溜まってるからなぁ』





肩にかかるバッグの重さが、残る仕事の量を表している



いつもはこの重さに胸が躍るんだけど、正直今は焦りの方が大きかった






部屋片付ける時間もないし、蓮と話す時間も取れない




彼女って、なんだっけ。









モヤモヤとした思考を切り裂くように、突然スマホが鳴った




慌てて画面を見ると、そこには康二くんからのメッセージが来ていて、少し気が抜ける





内容は、《タイ土産何がいい？》って書かれていて、思わず頰が緩んだ






…あれ、タイってもう明後日か




そこまで考えて、準備も何もしていない蓮が心配になってきた



混沌とした机の上にある付箋を手に取り、近くにあったペンで走り書きをする




袋に貼ってれば、多分気づくだろう。





.








この時は、忙しいことが幸せだと思ってた





お仕事をさせて頂けることが幸せだから、仕事は第一に優先すべきだって。





それで、目の前の大切なものをとりこぼしたら意味がないのに





それにも気づけないほど、ただ真っ直ぐに








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