. ページ10
視覚が塞がれたせいで、冴えた聴覚
ラウ「Aちゃんって仕事に私情持ち込まない人だってイメージだったんだけど」
深澤「…あー」
そんな言葉が、やけに耳に残った
『やめろ』
康二の手を剥がすようにどけると、目の前が一気に明るくなった
眩しさに目を細めながら、ラウール達の方に目をやる
考えるように顎に手を当てるラウールと、困ったような表情を浮かべるふっかさん
その近くには、じっと話を聞く阿部ちゃんと佐久間くんが座っていた
阿部「…私情挟みたくないからこそ、避けることもあるんじゃない？」
ラウ「え、どういうこと？」
深澤「…Aは仕事めっちゃ大事にしてるからさ、私情挟みたくないんだよ。きっと」
ラウ「えー？大事にしてるからこそ、逃げないと思うんだけどな」
阿部「逃げないのって、結構辛いよ」
聞きたくもないのに聞こえてしまうその会話が、自分の中にあった小さい期待をぼろぼろと崩していく
やっぱ、俺のこと避けてるの？
会いたくないから、演出しないようにしてんの？
掌を強く握りしめると、下にあったタオルがぐしゃ、と手の中に収まった
…いてぇ。
なにがって、心臓が。胸が。心のどっかが。
痛くて痛くてどうしようもない。
その痛みを逃すように、ギリギリと握り締めた手に力を入れるけど、肝心の痛みは消えてくれなくて。
その時、握り締めていた手を上から誰かに覆われた感触がした
向井「…俺は、ラウールに賛成やな」
『…は？』
言ってる意味が分からなくて、視線を康二に移す
すると、思ってたより真剣な表情をしていた康二にちょっと驚いた
向井「Aの性格とかは、めめが一番わかってるやろ」
『当たり前じゃん』
向井「それは即答なんや…」
真剣な顔をしてたと思ったら、拗ねたように口を尖らせたり、コロコロ表情が変わってく
…感情、顔に出すぎだろ。
そういうとこは、若干Aに似てると思う
顔見たら、考えてることがわかるとことか。
辛いことを、隠そうとするとことか。
向井「…逃げんよ。あの子は逃げん」
ちょっと眉を下げて寂しそうに笑った康二は、視線を落として、ぽつりと呟いた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 6686人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
wakachi - 更新お疲れ様です！初めてコメントさせてもらいます！やんさんのお話が大好きで、この作品も1から何度も読み返しては更新されるのが楽しみで楽しみで仕方ないですヽ(´▽｀)/ 新たな展開でハラハラ感ときゅんが止まらないです〜！！次回更新を楽しみにしてます！ (2020年9月15日 23時) (
レス) id: 973838b416 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - 楽しみにしてます！！ (2020年9月14日 23時) (レス) id: 110a75f7c9 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - 本当に良かったです(≧▽≦)想いあってるのにすれちがってしまう不器用な2人がものすごくもどかしかったです(T_T)前作では苦手だった阿部ちゃんですが、楽屋での彼はめめにさりげなく気づかせてあげてるように感じ、少し変わったのかなぁと嬉しく思いました！！続きも (2020年9月14日 23時) (レス) id: 110a75f7c9 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - ４の移行のお知らせから飛んで来たら５が完全に出来上がっててびっくりしました笑通知が仕事してなかったのか！？と一瞬疑いましたが一気に更新してくださったんですね！！ありがとうございます！！何か進展があるのでは、と期待しながら読ませていただきましたが、 (2020年9月14日 23時) (レス) id: 110a75f7c9 (このIDを非表示/違反報告)
たんぽぽ - キュンキュンと涙が止まりません。幸せになって欲しいです。楽しみにしてます！ (2020年9月14日 22時) (レス) id: c85239aa9f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：やん
| 作成日時：2020年9月14日 16時
