仕事なかま ページ26
○深澤 side
パタン、とあっさりと閉まったドア
Aがいなくなって静まり返った楽屋は、時間が止まったみたいに誰も動けないまま。
渡辺「…いや、何、え？」
呆然としたように、そう声をこぼす翔太の気持ちがわかりすぎる
いや、マジで、え？
幻でも見た…？
俺らでさえこんなパニックになってんのにあいつはどうなってんだ、と慌てて視線を向けると、着替え途中の姿のまま、ドアをガン見する目黒がいた
閉まったままのドアを食い入るように見つめるその表情は、痛そうで苦しそうで、辛そうだ。
足や手が今にも追いかけたそうに揺れるのに、何かが邪魔をするように、動いてはやめるのを繰り返してる
わずかに動く指先が目黒の葛藤を表してるようで、俺まで苦しくなった
…なんで追いかけねぇんだよ、って言いたいけど、ここで追いかけたところで何か変わるわけじゃないってわかってるから何も言えない
多分それは、十分すぎるくらい目黒自身が分かってて。
だから動けないんだ。
宮舘「もう移動しないと時間ないよ」
だてさんのその言葉にハッとして時計を見ると、集合まであと５分を切っている
マジでやばいじゃん…！
『目黒も翔太も、取り敢えず着替えて』
特に衣装を着てない2人にそう言うと、ハッとしたように２人とも着替えを再開する
せかせかと動き出した楽屋の空間に、少し安心した
無意識に詰めていた息を静かに吐き出す
…あんな、普通だとは思わなかった。
目黒は見るからに顔色を変えたけど、Aはあくまで平静を崩さなくて。
少し困ったように笑ってたけど、動揺なんて見せなかったし。
…もう、吹っ切れた？
いや、そんなわけないよな…。
頭の中で自問自答を繰り返していると、「移動、行こ行こ」と肩を叩かれる
『え、あ、うん』
声をかけてくれた阿部ちゃんに返事をすると、阿部ちゃんは康二たちにも声をかけた
そういえば、阿部ちゃんは知ってたんだろうか。
Aが楽屋に来た時、びっくりしてたのは見えたけど、今は普通だし。
阿部「ふっかも、行くよ」
『ん、おけ』
そう言って、楽屋を出る阿部ちゃんに俺も続く
その直前に見えた目黒の表情は、やっぱり苦しそうに歪んでた。
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wakachi - 更新お疲れ様です！初めてコメントさせてもらいます！やんさんのお話が大好きで、この作品も1から何度も読み返しては更新されるのが楽しみで楽しみで仕方ないですヽ(´▽｀)/ 新たな展開でハラハラ感ときゅんが止まらないです〜！！次回更新を楽しみにしてます！ (2020年9月15日 23時) (
レス) id: 973838b416 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - 楽しみにしてます！！ (2020年9月14日 23時) (レス) id: 110a75f7c9 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - 本当に良かったです(≧▽≦)想いあってるのにすれちがってしまう不器用な2人がものすごくもどかしかったです(T_T)前作では苦手だった阿部ちゃんですが、楽屋での彼はめめにさりげなく気づかせてあげてるように感じ、少し変わったのかなぁと嬉しく思いました！！続きも (2020年9月14日 23時) (レス) id: 110a75f7c9 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - ４の移行のお知らせから飛んで来たら５が完全に出来上がっててびっくりしました笑通知が仕事してなかったのか！？と一瞬疑いましたが一気に更新してくださったんですね！！ありがとうございます！！何か進展があるのでは、と期待しながら読ませていただきましたが、 (2020年9月14日 23時) (レス) id: 110a75f7c9 (このIDを非表示/違反報告)
たんぽぽ - キュンキュンと涙が止まりません。幸せになって欲しいです。楽しみにしてます！ (2020年9月14日 22時) (レス) id: c85239aa9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やん
| 作成日時：2020年9月14日 16時
