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…あ、れ？
違和感を感じて、さすっていた右手に視線を落とす
…え
その手には、見慣れない指輪が付いていた
薬指に収まるシルバーの華奢なリング
リング、って。
バッと、蓮を反射的に見上げる
蓮は平然とした顔でスマホをいじっているし、こちらを見ようともしない
なんで！
蓮を覗き込むように立て膝になれば、スマホを持つ手が目についた
『これ、』
目黒「ん…？あぁ、」
そう言ってスマホから自分の指に視線を向けた蓮は、きょとんとする私を見て面白そうに笑った
蓮の指に光るのは、私の指にあるのと同じリング
どちらも見慣れないもので、蓮が用意したものだっていうのは明らかだ
目黒「今は右手、だけど」
そう言っておもむろに私の手をとり、親指でそっとリングを撫でる蓮
優しい顔で私の手についたリングを眺める蓮から目が晒せなくなる
目黒「外すなよ」
囁くように紡がれたその言葉が、びっくりするほど甘く響く
『外さない、よ』
途切れ途切れでそう返すと、蓮はふはっと吹き出した
目黒「泣くなよ」
そう言って優しく頭を撫でられる
その感触さえ、今は涙を止まらなくするものでしかなくて、ぼろぼろと雫が落ちていく
そんな私を見てまた目を細めて笑った蓮に腕を優しく引かれて、体を包み込まれた
目の前に広がった蓮の胸が大きくて、あったかい。
私を抱きしめたまま私の頭をポンポンと撫でる蓮の手のひらに無性に安心した
目黒「お揃い、そんなにしたかった？」
『ちがう』
本当にすごく、嬉しかった。
だけどそれは、お揃いがしたかったからじゃない。
目黒「じゃあ、どしたの？」
涙が止まらない私を、少し心配そうに見つめながら手で拭ってくれる蓮
『ずっと、蓮のそばにいる証が欲しかったの』
未だに思うことがある
こんな幸せは、ある日突然消えちゃうんじゃないかって。
私は都合の良い夢を見てるだけなんじゃないかって。
だから、
『私は、蓮のそばにいるんだね』
今の当たり前は、当たり前じゃないから。
目黒「…いるよ。当たり前じゃん」
その言葉に、ふわりと微笑む
同時にぎゅっと抱きしめられて、顔が蓮の胸に沈んだ
蓮の表情は見えなかったけど、私を抱きしめる力は痛いくらい強かった
終わり
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のどか(プロフ) - 更新ありがとうございます…！やんさんの物語が1番すきです！！ (2020年6月28日 2時) (
レス) id: 0db3f9472c (このIDを非表示/違反報告)
まりん - 更新ありがとうございます。楽しみに待っていました!!今後の展開も楽しみにしています。 (2020年6月20日 22時) (レス) id: f071218485 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 更新お疲れさまぁ！！その後の主人公と目黒くんのお話が読めて嬉しい笑 正直、やんさんのお話が完結してからなんだか寂しかったから、またこうして読めるなんて…！！ 次回も楽しみにしてまーす！ (2020年5月28日 19時) (レス) id: 8f796692aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やん
| 作成日時：2020年5月27日 11時
