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○目黒side
俺の腕の中で、泣きながら微笑むAを見つめる
やっと、だ。
俺の背に回った小さな手が、あったかい
何度何度も、飽きることなく夢に見た
もう一度、Aに抱きしめ返されること。
もう、二度とできないことだと思ってたから。
『あー…』
幸せすぎて思わず声をあげながらAの首元に顔を埋めると、少しくすぐったそうに身をよじる
それでも拒否はされなくて、そんな一つ一つのことが嬉しくて仕方ない
「蓮？」
不思議そうに俺の名前を呼ぶ声が、耳元で聞こえる
…ヤバい、夢じゃないよな
ポンポンと、なだめるように俺の背中を叩くA
が可愛いすぎる
離れたくない気持ちを無理やり押し込めながら、Aからそっと体を離す
俺の背中から手が離れていく感覚が、無性に寂しかった
Aを見ると、うるうるとした目で俺を見上げている
あー無理…もう一回抱きしめてもいいかな…
そう思ってAの方に手を置いた瞬間、ピリリリリッと無機質な電子音が鳴り響いた
突然の音に驚いて、俺とAはぴたっと固まる
…アラーム？
しばらくフリーズして、はっと何かに気づいた表情をしたAは、ごそごそと服のポッケをあさる
そして自分のスマホを取り出すと、時間を確認して「あっ」と声を上げた
『どうしたの？』
「あと１５分でここ出ないと…！」
その言葉を聞いて楽屋の時計を見る
時刻は１２時４５分。
もう、深夜だ
『A、１人で家帰るの？』
「私近くのホテル取ってる」
それを聞いて、一瞬固まる
時間も時間だ。
いくら近くだからって、1人で帰すのは不安すぎる
てか、ホテルって…
『…今日は俺、離れたくないんだけど』
そう言うと、Aは勢いよく首を振った
「明日は本番なんだって！」
その答えがどうしようもなくAらしくて笑う
眉を下げて困ったような顔をするAの頭をわしゃわしゃと撫でる
前髪がぼさぼさになったのを見て、それすらも可愛くて顔が緩んだ
『明日が終わったら、俺のとこ戻ってきてくれる？』
少し緊張しながら問いかけた言葉に、Aは笑顔で「うん」と返す
どうしよ…
幸せすぎて泣きそう…
ついに明日、本番の日がやってくる。
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綺羅 - すっごく、面白いです。面白くてスラスラ読めちゃいます。 (6月20日 15時) (
レス) @page37 id: 2cb09aeba9 (このIDを非表示/違反報告)
mofurin0220 - 最高ですｗ (2023年3月4日 12時) (レス) id: cad6fed786 (このIDを非表示/違反報告)
やん(プロフ) - あやさん» あやさんー！！！ありがとうございます！！阿部ちゃんの動きを書くの私も楽しみです…！！あやさんの癒しを供給できるようにこれからも頑張ります！頑張れあやさん！！ (2020年4月17日 21時) (レス) id: d6435a702c (このIDを非表示/違反報告)
やん(プロフ) - も！さん» コメントありがとうございます！！すごく嬉しいです…！！更新頑張るのでぜひ楽しんでくださいー！ (2020年4月17日 21時) (レス) id: d6435a702c (このIDを非表示/違反報告)
やん(プロフ) - mさん» コメントありがとうございます！！めちゃモチベ上がりました…！やっと気づけた2人のこれからをぜひ楽しんでくれたら嬉しいです…！！ (2020年4月17日 21時) (レス) id: d6435a702c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やん
| 作成日時：2020年3月28日 19時
