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阿部「A、おはよう」
『あ、おはよう』
声を掛けられてぱっとその方向を見れば、笑顔の亮平くんが歩いてきていた
亮平くんは立ち止まると、机の上に視線を落として、もう一度私を見る
阿部「経口補水液？」
不思議そうに首を傾げているのを見て、珍しいものなのかと気づく
まぁ、あんまり普段飲んでる人いないよね
『うん、たまに飲むの』
濁すように伝えれば、「へぇー」と納得するように頷いた
何となくペットボトルを手に取り、隣の椅子の上に置いているコンビニ袋に入れる
阿部「あ、そういえばさ…」
そう切り出した亮平くんは、もうペットボトルのことは気にしていないようで、私に視線を合わせて柔らかい声で話す
よくわからないけど、謎の圧を感じた
無意識に少しだけ息を詰める
阿部「今日、目黒と来てた？」
亮平くんの言葉を聞いて目を少し見開く
『見てたの？』
阿部「朝俺先に来てたからさ、２人が入ってきたとき見たの」
そう言って笑う亮平くんは、純粋に疑問に思ってるんだろうなっていう雰囲気で、肩の力が抜ける
亮平くん、私と蓮のこと心配してくれてるもんね
『…蓮と来たよ』
嘘をつく理由もなかったから素直に答えると、亮平くんの顔が強張ったような気がした
それでもすぐに優しい顔に戻った亮平くんは、また口を開く
阿部「何かあったの？」
『何かって…』
亮平くんの言葉に、なにを返せばいいのかわからずに迷う
昨日はいろんなことがありすぎて、正直パンク寸前だ
思い出すだけで、胸が痛くて泣きそうになる
『…いろいろ、あった』
具体的なことを思い出すのさえ辛くてそう答えると、亮平くんは「そっか」と返してくれた
深く聞かないでくれる優しさが、ほんとに暖かい
阿部「…２人の、関係は変わったの？」
曖昧に濁して尋ねられた言葉は、心なしかいつもより低い声だった気がした
…私の心の持ちようかもしれないけど。
はっきりと言葉に出すのは、したくない
一度言葉にすれば、どうしても現実を受け入れなきゃいけなくなる
蓮との関係は、演出家と出演者、元恋人で現仕事仲間。
それ以上でもそれ以下でもない。
ずっと頭では分かってる。
それが、自分で選んだことだ。
『なにも変わってないよ』
そう言った声は微かに震えていた
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綺羅 - すっごく、面白いです。面白くてスラスラ読めちゃいます。 (6月20日 15時) (
レス) @page37 id: 2cb09aeba9 (このIDを非表示/違反報告)
mofurin0220 - 最高ですｗ (2023年3月4日 12時) (レス) id: cad6fed786 (このIDを非表示/違反報告)
やん(プロフ) - あやさん» あやさんー！！！ありがとうございます！！阿部ちゃんの動きを書くの私も楽しみです…！！あやさんの癒しを供給できるようにこれからも頑張ります！頑張れあやさん！！ (2020年4月17日 21時) (レス) id: d6435a702c (このIDを非表示/違反報告)
やん(プロフ) - も！さん» コメントありがとうございます！！すごく嬉しいです…！！更新頑張るのでぜひ楽しんでくださいー！ (2020年4月17日 21時) (レス) id: d6435a702c (このIDを非表示/違反報告)
やん(プロフ) - mさん» コメントありがとうございます！！めちゃモチベ上がりました…！やっと気づけた2人のこれからをぜひ楽しんでくれたら嬉しいです…！！ (2020年4月17日 21時) (レス) id: d6435a702c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やん
| 作成日時：2020年3月28日 19時
