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◇残酷過ぎる偽善者 ページ26

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表向きはふわふわ優しい人を演じてるようだけど
本当は性悪としか言いようがないほどの捻くれ者。


天使の姿をした悪魔、って
まさにこういう奴のことを言うんだなって
まるで見本のようなもんだ。



そんな章大に
まだ綺麗であどけなかった昔のあたしは
悔しいけれど、いとも簡単に堕とされた。



あたしに無いもの、あたしが知らないものをたくさん持っていた章大は、当時のあたしからすればすごく魅力的に見えたんだと思う。



―――明日の放課後、またここで



キス一つ。


そのたった一度のキスだけで
章大は平然とあたしの心を盗んでいった。


……あたしには、隆平が居たのに。





「な、俺ら運命みたいやなぁ?
最後に会った日から何年も経って、まさか俺が通ってるトコにAが転校してくるなんて」





“最後に会った日”。


それは、あたしがコイツに遊び飽きた人形のように
捨てられた日のことだ。


あれだけあたしのこと弄んで
あれだけ深く傷つけたくせに


…本気で何考えてんの?


あの日から誰も信じられなくなって
目に映る世界は完全に色を失って
ココロなんてもう粉々に壊されたのに


今更“運命”とか…何様のつもりなの?





「俺ら、赤い糸とかで繋がったりしてるんかなー…」





章大はあたしの隣に来ると、
同じように柵に腕を乗せて
フーっと煙を吐き出した。


それからその骨張った小さめの手が
肩に触れようと此方に伸びてきて…





『…触んな』





あたしの低い声に反応して、ピタリと動きを止める。





『ウゼェんだよ。偽善者』





まだ章大の顔は見ることが出来ないまま、
夜景を見たまま吐き捨てるように告げる。


それでもイライラは消えなくて
ため息をついて煙草の火を消したところで


章大がふっと笑みを零した。





「もしかして脅しとるつもりなん?


そーゆう言葉遣い、やめた方がええで?
ぜんっぜん似合てへんし…怖くもないわ」





そんな言葉と同時に
グッと強い力で掴まれる腕。



そのまま一瞬で引き寄せられて、









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声を上げる間も

抵抗する間も無いまま









押し付けられるように唇が重なった。







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◇ふざけんじゃねえ→←◇すべての元凶



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設定タグ:関ジャニ∞ , 安田章大 , 大倉忠義   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:べに x他1人 | 作成日時:2015年11月27日 21時

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