涙時計（blue）

◇なんでそうなるの？ ページ17

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すれ違う他の生徒に若干迷惑そうな顔をされつつ
わちゃわちゃしながら４階の教室へ。


扉を開けると、これまた一週間ぶりの面子が並ぶ。


美雪はまだ来てないみたい。




「あ、すばるくんや！ おはよー」


『え？』




スバルくん？



見ると、あたしの席の真ん前の席に
ぽけーっと座ってるちっちゃめの男の子発見。


くしくし、パーカーの袖で眠そうに目を擦ってて


あたしたちが近づいていくと
気がついたスバルくんが挨拶を返そうとして
驚いたようにピタっと固まった。




「…なんや？ ヒナの彼女か？」




もともと大きな目が更に大きく見開かれ
あたしと信ちゃんを見比べる。



「なんでそうなんねん」


「ちゃうんか。おもんな」



お、おもんなって…


なんだかものすごくどーでも良さそうに
ふああと大きなあくびをするスバルくん。



ちょっと近寄り難い人かも


あたしの中の人見知りな部分が
むくむくと表に出てきて、
そーっと信ちゃんの背中に隠れた…


…はずだったけど、




「この子なぁ、Aちゃん！ 先週転校してきたんやでっ。可愛ええやろ〜♡」




この空気読めない男にぐいぐい腕を引かれ
いとも簡単に引きずり出されてしまう。



あーーー、もう！！！



何故か得意げにあたしの両肩を持つその顔を
下からキッと睨みつけるけど、
ぜんっぜん気づく気配無いし！


こうなったらもう一発パンチを…




「え…A…？」




その時。


あたしの名前を呟いたスバルくんの視線が
パッと此方に向けられた。



はひ…？



じーっと見つめる真ん丸な瞳に
ドクっと心臓が脈打つ。




…あれ？

この人、どこかで見たことあるような…






「…あっ！ お前、あれや！


亮の女やんか！」






………は？







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