◇一週間 ページ16
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いつもと同じ内容のバイトをこなして。
いつもと同じ不良仲間たちで集まって。
いつもと同じ日常を過ごして。
そんなダラダラした日々の中に
忠義【今なにしてんのー?】
信五【おつかれ〜】
美雪【明日学校だね!楽しみ(*^^*)】
ちょっとした新しいことがあるだけで
一週間経つのがすごく早く感じるの
どうしてだろう?
『…ふふっ』
電車の中で、ここ一週間のみんなとの
LINEを読み返しながら一人ニヤニヤ。
え?デジャヴ?
……気のせいだっ
なんだかんだで今日が来るのを楽しみにしてた。
最初は学校行くのが嫌で嫌で仕方なかったのに
気持ちってこんなに変わるものなんだなぁって
自分でもちょっとびっくり。
あんなに悪態ばかり吐いていたあたしが
ルンルン軽い足取りで家を出て行ったから
家族はまるで宇宙人にでも遭遇したような
ものすごい顔をしていたけど。
「おーーいっ! Aちゃーーん!」
電車を降りて駅から歩いていると、
背後から聞こえてきた大きな声。
振り向こうとしたら
背負っていたリュックをぽふっと叩かれた。
「おはよぉ」
『…おはよ。忠義、元気だね』
「そりゃあ、一週間ぶりにAちゃんに会えると思ったら元気にもなるって〜」
や、やっぱりチャラい…
むふむふしながら顔を覗き込んでくる忠義の顎を
思い切り上に押し上げてやる。
“ちっちゃいな〜。可愛ええな〜”やら
“今日の放課後二人で映画でも行こやっ”やら
なんか隣でぺちゃくちゃうるさいけど
これはもう慣れるしかないかな。
『あ、信ちゃん』
「ん?おー久しぶり。なんやお前ら、さっそく二人で登校か?」
「そやねーん♡ 羨ましいやろ!」
学校の昇降口で一週間ぶりの信ちゃんと遭遇。
やっぱりむふむふしてる忠義に一発パンチを
お見舞いして、三人でたわいもない話をしながら
自分たちの教室に向かった。
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作者名:べに x他1人 | 作成日時:2015年11月27日 21時