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検査の結果をメンバーに伝えた時のみんなの表情は、今も鮮明に覚えてる。
悲痛、困惑、そして何より、みんな無理して俺にそんな感情を見せないようにしていた。
なんで涼太がって、思ってくれていたと思う。
けど決してそれを口にすることはなかった。
きっとそんな事一番俺が思ってるはずだと考えてくれたんだと思う。
なんで俺がって、受け入れられない俺の気持ちを。







「ヘルパー、ですか?」






検査の結果を伝えられた後から、カウンセラーと話をする機会を持つようになった。
最初はすごく抵抗があったけど、話をしているうちに気持ちが楽になったのは紛れもない事実で、徐々この時間が楽しみにもなってきていた。
そんな時、そのカウンセラーの先生から一つの提案があった。
それは、専属のヘルパーを雇うこと。






「けど、ヘルパーさんって介護をする人ですよね?俺はまだそんなの必要ないですし…。」

「それだけじゃないのよ?もちろん、高齢の方や、障害を抱える方の介護をするお仕事のイメージだけど、掃除、料理、そういった生活支援技術においてもプロなの。家政婦さんのようなイメージかな?」

「そうなんや、全然知りませんでした。」

「私はね、色々な患者さんと関わって思ったの。もちろん家族はかけがえのない存在。でもそれと同じように、介護士さんも患者様にとって、家族とは違うかけがえのない心の拠り所だと思うの。」







疑いという診断だから、まだ先の事は分からない。
もちろん今後発症しない可能性だって捨てた訳じゃない。
でも、この先自分の支えになってくれる人を作って損することはないと、カウンセラーの方は言ってくれた。
もし、という不安を抱える中で、いざその時が来た時にはきっと、心の拠り所になる。
だからそんな存在を、作ってほしいと。






「家族には負担を掛けたくないという気持ちも、少し解消されると思うの。」

「どういう、意味ですか?」

「家族には家族にしか出来ないとがあって、そして他人には他人だからこそ出来ることがある。私は、そう思ってる。」






他人には他人だからこそ出来ること。
一見冷たい言葉に感じるけど、それは凄く心強いものだ。
仕事という契約の基で信頼関係を築く。
その為、家族に対して生じてしまう遠慮や引け目を感じることも少なくて済む。
でもだからこそ、仕事という一線はお互いに超えてはならないのだけど。



こうして俺は先生の勧めを、試してみることにした。






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設定タグ:片寄涼太 , GENERATIONS , LDH   
作品ジャンル:恋愛
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えすちゃん(プロフ) - 続きが気になります! (2018年10月16日 23時) (レス) id: 6b458d06dd (このIDを非表示/違反報告)
こじゃる(プロフ) - また更新が再開されるのを楽しみにしています。 (2018年9月15日 21時) (レス) id: 39b5516bcc (このIDを非表示/違反報告)
emry(プロフ) - pomuさん» pomuさん、ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです!!これからも頑張りますね♪ (2018年7月24日 14時) (レス) id: ed62ca3d67 (このIDを非表示/違反報告)
pomu(プロフ) - はじめまして!!作品毎日楽しみにしています! (2018年7月23日 14時) (レス) id: 356e20fead (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:emry | 作成日時:2018年7月10日 1時

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