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「ねえ、Aちゃん。あれはお芝居でしょ。あの中にいるのは俺やなくて、はるかだからね？」
『お芝居…、いや、絶対それを通り越して恋をしていました！』
「そう言ってくれるのは、役者としては有り難いけどさ、俺自身が好きとかはないから。」
『そう、なのでしょうか。』
「しかも、Aちゃんは観たのは昨日かもしれへんけど、実際あれの撮影入ったのもう二年前やし。その頃はまだ知り合ってないでしょ？」
『…！』
この顔は、ようやく自分の間違いに気付いてくれた顔だ。
まったく、彼女の口から浮気だなんて言葉が出てくることは絶対にないと思ってたからかなり焦らされた。
「分かってくれましたか？」
『はい、あれは浮気なんかじゃありませんでした。その頃好きだったということですね？』
「いや、だから好きじゃないってば！」
『本当にですか？』
「本当にですよ。」
『だとしたら涼太くんは、とても演技が上手ですね。』
「それはどうもありがとうございます。」
良かった、解決して。
いや、待てよ。
この感じでいくと今後はどうなるんだろう。
これから撮影に入る映画なんて学園の王子の役。
まずい。
これはかなりまずい。
「あの、さ。」
『はい？』
「これからもそういう仕事があるから、さ。その、まあ分からないけど、恋愛ものとかもあるだろうし…。」
『え？』
「キスシーンとかも、あるかもっていうか…。」
『これからも、ですか。』
「でも断じて浮気とかじゃないからね？ただのお芝居だからね？…嫌かもしれんけど、分かってくれる？」
またこの顔になってしまった。
そりゃあそうだよな。
俺はそういう立場だからもし相手がそうでも、もちろん嫌は嫌でもすんなり理解できるだろうけど、彼女は違う。
そして黙ったまま何も言わない彼女が、弱々しくきゅっと俺の服の袖を掴んだ。
『その人のこと、好きになったり、しないですか？』
「絶対しない。約束する。」
『私より何倍も綺麗で可愛い人でも、ですか？』
「そんな人、俺の中にはいないし。」
『なんで嘘つくのですか…。』
「嘘やないって。俺にとってはAちゃんが誰よりも何よりも可愛いの。だって大好きやもん。」
『…私も、涼太くんが大好きです。』
例えどんな人が目の前に現れようと、絶対に目移りなんかしない。
こんなに可愛い彼女が俺にはいるんだから。
そう思って思わずぎゅっと抱きしめた。
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続く (更新停止中)
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えすちゃん(プロフ) - 続きが気になります! (2018年10月16日 23時) (
レス) id: 6b458d06dd (このIDを非表示/違反報告)
こじゃる(プロフ) - また更新が再開されるのを楽しみにしています。 (2018年9月15日 21時) (レス) id: 39b5516bcc (このIDを非表示/違反報告)
emry(プロフ) - pomuさん» pomuさん、ありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです！！これからも頑張りますね♪ (2018年7月24日 14時) (レス) id: ed62ca3d67 (このIDを非表示/違反報告)
pomu(プロフ) - はじめまして！！作品毎日楽しみにしています！ (2018年7月23日 14時) (レス) id: 356e20fead (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：emry | 作成日時：2018年7月10日 1時
