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いよいよ明日から遠征だということもあり、彼女が来てくれている間もその準備に追われる。
やっとひと段落したと思って部屋から顔を出すと、彼女の様子がどこかいつもと違う。
ぼーっとしているというか、思い悩んでいるような感じ。
この間色々と今後付き合っていくにあたって話しておかなければならないと思ったことは話した。
あれから数週間が経ち、今まで普通だったと思ったんだけど、今日は変。
「Aちゃん。」
そう呼びかけてみても全然聞こえていない様子。
ひたすら床を拭いている。
綺麗にしてくれるのはありがたいんだけど、そんなに同じとこやらなくても。
「Aちゃんってば。」
『っ！は、はい。』
「ねえ、何かあったん？今日変だよ、ずっと。」
『え？あ、いえ。何も…。えっと、次お風呂掃除しますね。』
やっと俺の声掛けに気付いてくれたけど、目は合わせようとしない。
俺何かしたんだろうか。
そそくさと浴室へ向かおうとする彼女の腕を掴むと、少し肩をぴくっと震わせた。
「何もなくないでしょ。明らか変やもん。」
『本当に、何もありません！』
「じゃあちゃんとこっち見て言って。」
『っ、』
「ほら、言えないやん。何？ちゃんと言って？隠し事するん、そうやって。」
そういうと大人しくこっちを向いてくれたはいいけど、まだ俯いたまま。
「どうしたの？」
『…あれは、浮気、でしょうか。』
「はい？」
浮気、というワードがこんなにも早く出てくるとは。
いや、浮気ってなに？
あまりに心当たりがなさ過ぎて、彼女の方がそういう事をしたのかと思ってしまった。
「え？浮気って…、何かしたの？」
『私じゃありません！』
「え、俺！？いや何もしてへんし。」
『昨日、涼太くんが出た映画を借りてきて観ました。』
「ありがとう、わざわざ借りてくれて。」
『そしたら…。あれは、完全に、せとかさんを好きだという顔でした。』
「…え？」
『それに、キスまで…。』
うーんと、それは俺が映画の中で浮気をしたと言いたいのだろうか。
完全に好きな顔だったというのは、役者としては嬉しい。
観てる側をそう思わせる演技をすることが出来たということだし。
けど、浮気ではないよね。
だってそもそも、その時俺達知り合ってないし。
それ以前にあれはお芝居だし。
もしかしたら彼女はとんでもない天然だったのかもしれない。
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えすちゃん(プロフ) - 続きが気になります! (2018年10月16日 23時) (
レス) id: 6b458d06dd (このIDを非表示/違反報告)
こじゃる(プロフ) - また更新が再開されるのを楽しみにしています。 (2018年9月15日 21時) (レス) id: 39b5516bcc (このIDを非表示/違反報告)
emry(プロフ) - pomuさん» pomuさん、ありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです！！これからも頑張りますね♪ (2018年7月24日 14時) (レス) id: ed62ca3d67 (このIDを非表示/違反報告)
pomu(プロフ) - はじめまして！！作品毎日楽しみにしています！ (2018年7月23日 14時) (レス) id: 356e20fead (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：emry | 作成日時：2018年7月10日 1時
