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佐野さんも彼と同じで、帽子を深く被りマスクをして出掛ける。
彼の周りでは流行ってるのだろうか。






玲「そういえばテレビいつ届くの?」

『今週末です。お休みの日に届くようにしました。』

玲「そっか。けどテレビ持ってなかったとはねー。普段何してんの?暇じゃね?」

『時間のある時はいつも本を読んでいましたから、暇だと思ったことはありませんでした。』

玲「なるほど。涼太くんも本読むの好きだよね。」

『えっ、そうなんですか!本当ですか?』

玲「え?あ、うん。…ねえ、もしかして涼太くんのこと好きなの?」







こんな私と彼に共通するものがあったことが嬉しくて、つい声が大きくなってしまった。
それが原因で佐野さんにそんな風に思われてしまった。
好き、なわけじゃない。
好きってそもそも、どんな感情か分からないし。






『そんなことはありません!滅相もありません!』

玲「いや、怖いわ!急に大声出すなよ、びっくりしたし。」

『あっ、すみません…。』

玲「まあ、別にいいんだけどね?好きでも。涼太くん格好良いし頭良いし優しいし。王道のモテ男って感じ?」

『王道、ですか。あれが王道なんですね。』

玲「と思うよ、俺は。今までどんな人と付き合ったの?」

『…。』

玲「…まさか、いない、とか?」







やっぱり皆当たり前にそういう人がいるのが普通。
恋なんて無縁の状況で生きてきた私には、そういうのは全然分からない。
だから涼太くんと素直に呼ぶことも出来ないのだ。






玲「あれだね、こじらせ女子だね、Aちゃん。」

『こじらせ女子、ですか。なるほど。』

玲『はは、別に覚えなくていいけどさ。』

『…変わりたいんです、私。今まで必要ないと思っていたこと全てが、彼に出会って考えが変わりました。もっと彼に相応しい人間になりたいって、そう思ったんです。』

玲「それもう好きって言ってるようなもんじゃん…。」

『はい?』

玲「あ、いや。なんでもない。そっか、じゃあまずはその…もっと女子力上げてみるとか。」

『女子力…。』






ファッション、美容、メイク等色々とアドバイスをくれた。
オフショルだとか、ガウチョだとか、何語なんだろうと思うものばかり。
どれもピンと来ない。


買い物をし終わって佐野さんがお手洗いに行っている間、すぐ側の本屋さんに寄ると、いつもは素通りする雑誌のコーナーに目が止まる。
私もこんな風に、可愛くなれるのだろうか。






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設定タグ:片寄涼太 , GENERATIONS , LDH   
作品ジャンル:恋愛
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えすちゃん(プロフ) - 続きが気になります! (2018年10月16日 23時) (レス) id: 6b458d06dd (このIDを非表示/違反報告)
こじゃる(プロフ) - また更新が再開されるのを楽しみにしています。 (2018年9月15日 21時) (レス) id: 39b5516bcc (このIDを非表示/違反報告)
emry(プロフ) - pomuさん» pomuさん、ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです!!これからも頑張りますね♪ (2018年7月24日 14時) (レス) id: ed62ca3d67 (このIDを非表示/違反報告)
pomu(プロフ) - はじめまして!!作品毎日楽しみにしています! (2018年7月23日 14時) (レス) id: 356e20fead (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:emry | 作成日時:2018年7月10日 1時

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