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今まで一度だって思ったことはなかった。
もういいよって、言ってくれる人が現れるなんて。


朝起きて、カーテンを開ける。
久しぶりに、清々しい朝を迎えることが出来たのは、彼のおかげ。
やっぱり名前で呼んでみれば良かっただなんて、朝っぱらからそんな事を考える自分が、甘酸っぱいを通り越して酸っぱ過ぎ。







『テレビ、か。』






彼と出会って、色々なことに対しての心境の変化があった。
やっぱり大きい括りで言えば、自分の生き方。


23歳らしく、生きたい。
お洒落をして、メイクをして、カフェなんか行ってみたり、とか。
彼に、…涼太くんに似合う女性になりたい。







『…やばい、どれにしたらいいんだろう。』







とりあえず、まずはテレビを買おう。
そう思って家電量販店へ足を運んでみたものの、あまりに種類がたくさんあり過ぎて困る。


店員さんに聞こうにも、みんな忙しそうにしてて中々話し掛けられない。
そして振り向いた瞬間、人とぶつかってしまった。







『あっ、ごめんなさい…。』

「びっ、くりした…、いえ、大丈夫っすか?」

『…すみませんでした。ごめんなさい。』






なにやってんだろう、私。
ちゃんとしなきゃ。


でも、すみませんと声を掛けようとするのに、いらっしゃいませ、と笑顔で言われ通り過ぎられる。






「あの、」

『え?あ、さっきの…。さっきはすみませんでした。あの、なにか?』

「あー…、いや、なんかさっきからずっと困ってるから。」

『あ、店員さん、でしたか。』

「いや、違う。どう考えても違うでしょ、俺。」







そう話掛けてくれたのは、さっきぶつかってしまった人。
格好は確かに違うけど、声掛けてくれたから店員さんなのかと思ってそう言うと、ケラケラと笑われる。


それでどうしたの?と続けてくれるその人に、テレビが買いたいと伝えると、じゃあ着いてきて、と。







「今店員さん来るから、ちょっとここで待っててください。じゃあ、俺行くんで。」

『あ、あの!…テレビってどんなの買えばいいんでしょうか。』

「…は?え、今あるやつはどんなんなの?」

『今テレビないから…。初めて買うんです。』

「まじ?…ああ、ごめん。俺そろそろ行かなきゃ。えっとね、これ。これ俺と同じだけどオススメ。じゃあ、頑張れ!」

『あ、ありがとうございました!』







その人のおかげで、なんとかテレビを無事買うことができた。
見た目は派手だけど、いい人だった。




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設定タグ:片寄涼太 , GENERATIONS , LDH   
作品ジャンル:恋愛
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えすちゃん(プロフ) - 続きが気になります! (2018年10月16日 23時) (レス) id: 6b458d06dd (このIDを非表示/違反報告)
こじゃる(プロフ) - また更新が再開されるのを楽しみにしています。 (2018年9月15日 21時) (レス) id: 39b5516bcc (このIDを非表示/違反報告)
emry(プロフ) - pomuさん» pomuさん、ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです!!これからも頑張りますね♪ (2018年7月24日 14時) (レス) id: ed62ca3d67 (このIDを非表示/違反報告)
pomu(プロフ) - はじめまして!!作品毎日楽しみにしています! (2018年7月23日 14時) (レス) id: 356e20fead (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:emry | 作成日時:2018年7月10日 1時

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