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「如恵留くん、こんばんは。お疲れ様です」
「よろしくお願いします」
「お話聞いていいかな」
退院してから今日までの出来事をゆっくり話す。土日は、本当に落ち着いて過ごせていて、散歩もできた。でも、今日の様子を見ると、やっぱりまだ、辛いんだろうなって思う。
「如恵留くんも、辛かったでしょ。無理しないで、限界になる前に言ってね。辛い日が続いていたら、病院で少しの間預かることもできるからね」
「はい、でも、今もなんですけど、やっぱり分離不安が辛そうで」
「そうだよね。少しづつ、練習していく事だね。事故の日からいままで練習してきて、それが今回のことで少し崩れてしまったけど、でも、前も言ったけど、今まで練習してきたことがなくなったわけじゃないんだよ。海斗くんは毎日成長してるし、前に進んでる。だから、大丈夫」
そう言ってティッシュを出してくれる。僕は気づかない間に泣いていたようだ。
「あ、、すみません」
「無理しないでっていうのが、無理なのもわかってるよ。だから、ここにきた時は、自分の気持ちを押さえつけないで、ちゃんと教えてね」
海斗くん呼ぶね、と言われて席を立つ。暫くすると、泣きすぎて目を腫らした海斗が戻ってきた。
「のえる、、泣いた、、？」
「大丈夫だよ。ほら、座って」
繊細な海斗に嘘は通じないけど、とにかくその場は誤魔化してさっきまで僕が座っていた椅子に海斗を座らせる。
「海斗くん、学校はいつからいく予定？」
「あ、、明日、、行きます」
「そっか。分かりました。頑張るんだね。偉いよ。でもね、体力も落ちてるし、心も辛くなる時があるでしょう？だからね、苦しいなって思った時は、おやすみしたり、遅刻で行ったり、保健室で休んだりできそうかな。学校は毎日行くところだけど、心と身体が壊れてしまっては意味がないから、できそうかどうか、自分で判断できるようになろうね」
その言葉には頷いて、でもギュッとポケットを握りしめる。
「なにか、心配なことはありますか？」
阿部先生が優しく声をかけてくれると、口をパクパクと動かす。
「あ、の、、」
「うん」
「お薬、、ポケットのお薬、、飲むと寝ちゃうから、、それが、、怖い、です、、」
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作者名：イカ | 作成日時：2022年8月28日 23時
