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「学校、、行けなかった」
「ゆっくりでいいんだよ。明日また、挑戦してみようよ。七五三掛先生が保健室に来ていいよって言ってたからね」
「うん、、のえる、ごめんね、、おれ、朝、、」
「大丈夫だよ。ちょっと落ち着いた？」
「朝はね、、だめなの、分かってた」
「そっか。教えてくれてありがとう。夕方病院だし、午後はゆっくりしようね。心配なことは、阿部先生に相談しよう」
「わかった、、」
「お昼ご飯、頑張れそう？」
「うん、少しにして、」
「いいよ」
起きて崩れるかと思ったけど、やっぱり強い薬を飲んでいるし、家にいる安心感もあると思うけど、思ったより落ち着いていて安心した。食べやすいように簡単にうどんを作って、ダイニングテーブルに置く。
「はい、どうぞ」
「ありがとう、いただきます」
小さめの器に盛ったけど、やっぱり体調がよくないのか、半分ほどで箸を置いてしまった。
「無理そう？」
「うん、、ごめん、、」
「いいよいいよ。あとでおやつ食べようね。お薬だけ頑張って」
薬は自分でちゃんと飲んで、歯磨きをすると、リビングで静かに絵を描き始める。入院中に絵画の先生がデッサンを教えてくれて、最近は鉛筆一色で色々なものを写実的に描くことにハマっているようだ。この先の進路はまだ本人は考えられていないけど、ここまで絵が好きだから、絵を描くことができるところに進ませてあげたい。絵画の先生から、本人に進路のためと言わなくてもデッサンの練習をさせておいてもいいかもねと言われて、お願いすることにした。入院中に買ってきた鉛筆のセットは随分短くなってきてしまったので、買い足してあげなくてはと思う。
「頑張りますか」
昼休みを終えて、仕事に戻る。順調に、穏やかな時間が流れていると思っていたけど、突然、カラカラと鉛筆が転がる音がした。
「海斗？」
声をかけて近寄ると、顔を伏せて、胸を押さえている。頻脈の発作が出てしまったようだ。
「お水持ってくるね」
冷たい水をコップに入れて、もう一度側に戻る。
「お水飲んでごらん？」
本当はもう少し飲んで欲しかったけど、結構2口くらいしか飲めずに、海斗は口を離した。
「横になろうね」
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作者名：イカ | 作成日時：2022年8月28日 23時
