涙を拭いて #3 (ページ42)

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土日はゆっくり家の中で過ごして、学校に前向きだった海斗だけど、結局月曜日は登校できなかった。

「海斗、おはよう」

緊張か、プレッシャーか、外に対する恐怖からかは分からないけど、海斗は起きてからずっと涙を流していた。それでも、学校に行くという気持ちが先走っているようで、フラフラになりながらも支度を始める。

「海斗、無理しなくていいよ。今日はお休みしよう」

「いくって、吉澤先生に言っちゃったから」

「電話すれば大丈夫だよ。海斗、辛そう。少しお休みした方がいいと思うな」

「大丈夫、、いく、、」

泣きじゃくりながらも制服に着替えて、朝の薬を飲み込む。

「お腹空いちゃうよ。少し食べないと」

その言葉にははっきり首を横に振って、歯磨きを終える。

「海斗、ポケットのお薬飲んだら？」

「飲まない、、寝ちゃうから、、大丈夫」

時間になるとフラフラと玄関に向かって革靴を履く。本当にこのまま行くつもりなのかなと思っていると、やっぱりここで動きが止まった。

「海斗？」

声をかけても大きく目を見開いて動かない、そして徐々に小さく身体が震え始めた。

「海斗、お薬飲むよ」

「へ、、き、、学校、いく、」

「落ち着いたら遅刻で行こうよ。今は、お薬を飲んで休もう。このままは行けないよ」

そういうと堰を切ったように泣き始めて、仕方なく頬に薬をねじ込む。歯を食いしばって、何かに耐えていたけど、急にグダっと体から力が抜けた。

「今日は、お休みしよう」

「や、がっこ、、」

「海斗が辛いの、嫌なの」

そう言ってソファーに寝かせると、海斗はまたボロボロと涙を流す。

「そんなに焦らなくても大丈夫だよ」

制服を脱がせて、もう一度部屋着を着せる。その途中で海斗は眠ってしまった。

「学校に連絡しなきゃ」

仕事は元々在宅勤務にしてあったから、とにかく海斗の学校に連絡をした。