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「おじゃまします」
夕方、吉澤先生が家庭訪問に来てくれて、溜まっていた書類や、プリントを持ってきてくれる。
「松倉くん、これがね、今出てるレポートね。教科の先生も入院してたこと知ってるし、担任の先生が話してくれてるから、締め切りは気にしなくて大丈夫だよ。できるところから、やってみてね。分からなかったらそのままにして、学校に来てから先生に教えてもらおうね」
そう言って封筒をもらうと頷いて、リビングのローテーブルで自分のファイルに仕分けを始めた。小さな声でありがとうございます、と言えたから上出来かな。
「お薬のこととか、少し伺ってもいいですか？学校に置いてあったものをこの間使用したので、またお預かりするものがあれば、書類の記入をお願いします」
「わかりました。また同じように、頓服をお願いします。まだ薬は、頓服も、食後の薬も以前のものに戻せていなくて、以前よりもぼんやりしていることが多いです。あと、頓服を飲むと眠くなってしまって。これ、コピーしておいたので、、」
「わかりました。コピーもありがとうございます。七五三掛先生や担任とも共有しておきます。いつ頃から、登校を考えていますか？」
「本人は学校に行きたいと思っているようなので、早めにとは思っているんですが、、まだちょっと体調も不安定なので、心配で」
「そうですよね。体力的な心配もあると思うので、何日かは保健室で過ごしてもいいと思いますよ」
「本人に聞いてみてもいいですか？」
「もちろん」
レポートを始めていた海斗を呼んで、ダイニングに座らせる。
「海斗、学校、いつから行こうか」
そう言ってカレンダーを見せると、小さな声で、月曜日から、と言った。
「月曜日から頑張れそう？」
「うん、、行きたい」
「わかった。じゃあ、頑張ろうね」
そういうと吉澤先生も喜んでくれて、最初の日は昇降口で待っているねと言ってくれた。
「安心だね、海斗。よかったね」
「ありがとう、ございます」
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作者名：イカ | 作成日時：2022年8月28日 23時
