わたしの生きた証～絆～ (ページ34)

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受付で名前を言うとかわいらしい看護師さんが直ぐに案内してくれた。

入院棟まで歩いていく。１週間生活するんだなと思うと不安だけどちょっぴり楽しみだったりもして。

今まで至極健康だったからこんなことはもちろん初めて。一生に1回ぐらいはいいかなと思う。

部屋は6人部屋だが、既に入っているひとは1人しかいなかった。カーテンが閉ざされていてどんな人か様子を見ることは出来なかった。

ひとつ挟んだ窓側のベッドに荷物を置く。

看護師「じゃあ、後で先生がきますので。」

そう言って看護師さんは戻っていった。

山田「Aちゃん。こんにちは。」

今日も爽やかイケメンの山田先生。これから１週間の予定を大まかに聞く。

とりあえず沢山検査をやるようだ。その都度説明を聞くとして今はさらっと流しておく。

視線は自然と閉まっているカーテンの方へ向いていた。

女性の方というのはわかる。名前は入口にあったと思うがよく見なかった。

A「あの、そこの方は…」

山田「ああ。」

すると先生が声をかけながらカーテンの中を覗き込んだ。

先生が何回か声をかける。その間、相手の声は聞こえなかった。

Aはその様子をベッドの端から見ていた。

すると先生から手招きされて近くに寄る。

山田「じゃあ、紹介するね。今入院してる白河蘭さん。」

そういってぱっとカーテンを開ける。

ふわっとシャボンの香りがした。

まず目に入ったのは色白の雪のような肌。

パッチリとした二重に長いまつ毛。

髪の毛はツヤのあるきれいな黒髪だった。

歳は自分より3.4個上かな？と想像する。

上半身を起こしている状態の彼女は優しく微笑んだ。

でも、微笑むだけ。声を発することは無い。

山田先生「蘭ちゃんは、Aちゃんと同じ病気なんだ。」

A「え！同じ病気…」

こんなに身近にいるとは思わなかった。